【Voyage MPD】0.10.0のインストール全手順(t5630w・その3)
それではインストール後の細かい設定をしていきましょう。
【一部画面写真を撮り損なって以前の記事の画面を使い回しているものや、打ち損じてエラーメッセージが出ている画面がありますが、気にせず手順通り作業を進めて下さい。それでちゃんとインストール・設定出来るはずですので】
①再起動をしたのでIPアドレスが変わっている可能性がありますので再度t5630w側でIPアドレスの確認をします。
「Voyage Login」と出たらroot(初期設定のアカウント)と入力しenterを押す。
「Password」と出たらvoyage(初期設定のパスワード)と入力しenterを押す。
root@voyage~#からifconfigと入力しenterを押す。
「inet addr:192.168.×.×」の値をメモします。
Windows PCでSSHソフト「putty」を再起動します。
「ホスト名」の所にメモしたIPアドレスの数字(192.168.×.×)を入力して「開く」をクリック。
もしこんな画面が出たら「はい」をクリックしてください。
この画面が出たらt5630wとの通信は成功しているのでlogin as:でrootと入力。
passwordにはvoyageを入力。
この画面が出たらt5630wとの再接続は成功です。
②これから変更する設定を保存できるように以下のコマンドを入力します。
remountrwと入力する。
(これをやらないと書き込みモードにならずせっかく設定を変更しても保存されません。)
③アップデートをします。
apt-get updateと入力。
コマンド待ちに戻ったら終了です。
④ファイルの中身を編集するためのエディタですが、標準装備のviエディタが慣れないと非常に使いづらいので、今回はnanoというエディタを使うことにします。そのnanoをインストールします。
apt-get install nanoと入力。
コマンド待ちに戻ったら終了です。
⑤.bashrcというファイルを編集します。
nano ./.bashrcと入力。
ファイルが開きます。
nanoの使い方はググっていただければ解説しているサイトがありますので、詳しくは調べて頂きたいのですが、簡単には ←→↑↓でカーソルを移動、enterで空白行挿入、backspaceやdeleteキーを使いながら文字を入力、修正し、最後にctrl+x→y→enterでセーブして終了、ctrl+x→nでセーブせずに終了になります。
慣れないうちはちょっとでも失敗したと思ったらセーブせずに終了してやり直す方が確実です。
最終行の1つ前の行に以下の3行を追加してセーブして終了します。
remountrw
mpd -kill
/etc/init.d/mpd start-create-db
⑥IPアドレスを固定する。
起動する度にDHCPで違うIPアドレスが割り当てられるのを防ぐためにVoyage MPD(t5630w)のIPアドレスを固定します。
nano /etc/network/interfacesと入力する。
DHCPを使わないのでiface eth0 inet dhcpの前に#を挿入してコメント行にする(この行を無効にすると言う事です。画面写真では消してしまっていますが、別に消しても問題ありません。)
その下に以下の行を追加します。
iface eth0 inet static
address 192.168.0.X
netmask 255.255.255.0
network 192.168.0.0
broadcast 192.168.0.255
gateway 192.168.0.1
dns-nameservers 192.168.0.1
ここでxには他のネットワーク機器で使ってない番号を指定します。
2~254までの番号が使えますが、あまりDHCPが自動で割り当てない大きめの数字を使うと良いでしょう。(割り当てが他の機器とダブると誤動作の原因になる)
(上の例では128を使っています。)
ここで設定したIPアドレスがVoyage MPD(t5630)のIPアドレスとなります。
また、上の例ではルーターのIPアドレスが192.168.0.1の時の例ですが、ルーターのIPアドレスが192.168.1.1になっている環境の場合はnetmaskを除く各アドレスの3桁目を1に変更して記述して下さい。(例えばnetworkの所なら192.168.1.0とする)
追加、修正が終わったらセーブして終了します。
⑦日本時間の設定
dpkg-reconfigure tzdataと入力する。
この画面が出るのでAsiaを選ぶ。
次にこの画面が出るのでTokyoを選んでenterで終了。
日本時間が表示されるので確認して下さい。
⑧アップグレードの実行
apt-get upgradeと入力。
コマンド待ちに戻ったら終了。アップグレード項目が無い場合もあります。アップグレード対象の項目がある場合は文字列がズラズラ出て来た後「Do YOu Want Continue?」と聞いて来ますのでYを答えて下さい。(今回の例では「mpd.conf」というファイルのアップグレードがあるがどうしますか?と聞いてきたので現在のファイルを維持する「N」(デフォルト値)を答えています。アップグレード内容によってはこのように質問してくる場合があります)。その後コマンド待ちに戻ったら終了です。
⑨日本語環境のインストール
apt-get install localesと入力。
apt-get install fbtermと入力。
続けるか聞いてくるのでyを入力。
dpkg-reconfigure localesと入力。
この画面が出たら ja_JP.UTF-8 UTF-8を選択してenterを入力。
コマンド待ちに戻ったら終了。
⑩再起動
rebootと入力してVoyage MPD(t5630w)を再起動する。
windows PCでSSHソフト「putty」を再起動します。
今度は先程固定したVoyage MPD(t5630w)のIPアドレス(先程の例では192.168.1.128)を「ホスト名」の所に入力して「開く」をクリック。
もしこんな画面が出たら「はい」をクリックしてください。
この画面が出たらt5630wとの通信は成功しているのでlogin as:でrootと入力。
passwordにはvoyageを入力。
この画面が出たらt5630wとの再接続は成功です。
①alsa(Advanced Linux Sound Architecture)のカード番号の確認
cat /proc/asound/cardsと入力。
ここでUSB-DACがVoyage MPDに認識されていればこのようにカードとして表示されるはずです。今回の例では自作USB DAC(DDCチップはC-MediaのCM6631A)がカード番号0番として認識されています。これが出ないと言う事はVoyage MPDで認識できないDACである可能性が高いです。今回の例はDACを使っていますがDDC等でも同じです。
認識できていれば次に進みます。
②mpd.confの設定
Voyage MPDの設定の一番の肝であるmpd.confの設定を行います。
修正間違いの無いように十分注意して設定を行って下さい。
nano /etc/mpd.conf と入力。
まずスクロールしてalsaの設定箇所を捜します(ファイル中程くらい)。ここのdeviceの記述が"hw:0,0"であることを確認します。(あくまで今回の例の場合)。この左側の番号がカード番号なので先程確認したDACに割り当てられたデバイス番号とちゃんと一致しているので設定と整合性が取れているということになります。
次にmixer_typeの記述を捜し、先頭の#を取って有効化します。今回私の場合はは音質面の理由でソフト側でボリューム調整を行わずDACやアンプ側でボリューム調整を行いたいのでdisabledと記述しました。
最後はファイルの最終行の1つ前のmixer_typeの記述です。この行は良く安定動作に異常をきたす原因になるので設定にかかわらず先頭に#を付けてコメント行にして無効化した方が良いと思います。
以上の設定が済んだらセーブして終了です。
③NASの共有フォルダのマウント
nano /etc/fstabと入力。
最終行に以下の1行を追加
//192.168.1.X/yyyy /music cifs username=zzzz,password=aaaa,uid=root,iocharset=utf8 0 0
(空白や文字間違いに注意して下さい)
ここでIPアドレスはNASのIPアドレス(前もって調べておいて下さい。例では192.168.1.128になってますが、今回の例では192.168.1.128はt5630wのアドレスに使用したのでこれは間違ってますね)
yyyyはNASの共有フォルダー名(例ではdisk)
XXXXはWindows PCのユーザー名を指定します。(例では隠してます。テスト用に仮に付けた恥ずかしい名前なので(笑))
passwordはNASに設定していれば記述して下さい。設定してなければ画面写真の様に未記入で良いです。
画面写真では行が長いので途中で切れてますがちゃんと最後まで入力しています。
追加したらセーブして終了します。
mkdir /musicと入力。
mount -aと入力。
ln -s /music /var/lib/mpd/musicと入力。
(画面写真では先程のNASのアドレスを間違って記述したためにエラーで怒られてますが気にしないように(笑)。ちなみに後で間違いは直しました))
④自動ログオフの設定
普段Voyage MPDを入れたt5630wはモニター,キーボードを接続せず単体で使用するため、電源ボタンを押せば自動でログオフして電源が切れるように設定します。
apt-get install acpidと入力。
nano -w /etc/acpi/events/powerと入力
新規ファイルが開くので以下の2行を追加
event=button/power
action=/sbin/shutdown -h now
追加したらセーブして終了。
⑤自動ログオンの設定
この設定は必須ではありませんが、自動ログオフ→電源OFFをやるなら電源ON時も電源ボタンを押したら電源ON→自動ログオンも出来るようにしたいという方は以下の設定を行って下さい。(モニターもキーボードも使わない場合は設定しておくと便利です。)
画面写真を撮り損ねてしまいましたが、コマンド待ちから以下のコマンドを入れて下さい。
adduser ユーザー名
(今回はadduser kancolaと入力してkancolaというユーザーを作りました。)
passwordを2回聞いてきますので設定して下さい。
その他Full NameとかRoom Numberとかいろいろ聞いてきますが、全部enterを押して下さい。最後にIs the information correct?と聞いてきますのでyを押します。これでkancolaというユーザーが追加されました。
nano /etc/shadowと入力。
最終行にkancolaの記述があります。
kancola:以降の文字を全て削除します。(この部分はパスワードを暗号化したもの)
削除したらセーブして終了します。
nano /etc/inittabと入力。
この画面写真の場所を捜します。
このうちtty2番の行を以下のように修正します。
【修正前】2:23:respawn:/sbin/getty 38400 tty2
【修正後】2:23:respawn:/bin/login xxx /dev/tty2 2>/dev/tty2
xxxは先程追加したユーザー名です。今回の例ではkancolaです。
修正が終わったらセーブして終了します。
⑥MPDの起動テスト
ここまでの設定が終わったらMPDがちゃんと動くかテストします。
コマンド待ちから/etc/init.d/mpd stopと入力します。
[ok]Stopping Music Player Daemon: mpd.と表示されます。
続けてコマンド待ちから/etc/init.d/mpd startと入力します。
エラーメッセージが出ずに[ok]Starting Music Player Daemon: mpd.と表示されればMPDは正常に動いています。
何らかのエラーメッセージが出た場合はどこかの設定をミスっていますので再度今までの設定を点検して下さい。
以上でVoyage MPD(t5720)の設定は全て終了です。
電源ボタンを押してちゃんと自動ログオフ(電源OFF)、自動ログオン(電源が入ってvoyage login:と聞いてくればOK)が動作するかも確認して下さい。
引き続きWindows PCにVoyage MPDをコントロールするためのMPDクライアントソフトをインストールして設定をすれば全ての作業は終了です。
もう少しですので頑張って下さい。
あと余談ですが出来ればrootのパスワードをvoyageから他のものに変更しておいた方がセキュリティ上好ましいかと思います。
変更方法はコマンド待ちから(rootでログインしている事)
passwdと入力して画面の指示に従って下さい。
(画面写真が無くてすみません)
⑦MPDクライアントの設定
今回はwindows側のクライアントソフトとして「Gmone Music Player」を使ってみます。
http://gmpclient.org/から最新版をダウンロードしてインストールして下さい。
インストールしたらGmone Music Playerを起動します。
メニューバーの「music」から「preferences」を選ぶと下の画面が出てきます。
Nameは適当に何でも良いです。HostはVoyage MPDでt5630wを固定したIPアドレスを記入します(画面写真は違っていますが今回の例だと192.168.1.128でした)。Portは変更してないのでデフォルトの6600で良いです。設定が終わればCloseを押します。
メイン画面に戻ったらVoyage MPDと無事繋がれば、黄色い帯でconnected to MPDというメッセージが表示されます。
無事繋がったらメニューバーの「Server」から「UpDate Database」をクリックします。
画面左側のタブのなかから「Database」を選んで待ちます。(曲数にもよりますが結構時間がかかる)
「Directories」の欄にNASの中のフォルダー構成や曲の一覧が表示されれば無事成功です。
以上で全ての設定は終わりです。思う存分音楽を楽しんで下さいね。
いかがでしたか?
無事音は出ましたでしょうか。良い結果が得られますことを願っております。
一度音出しが出来ればVoyage MPDの設定や使いこなし方などいろいろな情報を扱っておられるサイト様がたくさんありますのでぜひそれらも参考になさってください。
長々とおつきあいいただきありがとうございました。
【おことわり】今回の導入手順はこの記事用のネットワーク、マシン等の環境を作って行いました。私の自宅で普段稼働してる環境とは違いますことをお断りしておきます。
【参考サイト様】
「PCで音楽」様、「みみず工房」様
勝手ではありますが参考にさせていただきました。ありがとうございました。
(2017年1月22日:記) 一応私の用意したテスト環境ではこの手順できちんと動くことを確認しておりますが、記事中に間違いがあればどうぞご指摘をお願い致します。なお、それぞれの環境によっては上手く動かない場合もあることはご承知願います。
【Voyage MPD】0.10.0のインストール全手順(t5630w・その2)
【用意するもの】
①Voyage MPDの本家サイト(http://linux.voyage.hk/voyage-mpd)からVoyage MPDの「Live CD」のデータ(isoファイル)をダウンロードし、CD-Rに焼いたもの。
今回のバージョンは現時点(2017年1月22日)で最新の0.10.0です。
②t5630wにモニター,キーボード,USB外付けCDドライブを取り付け、LANケーブルをつなぐ。
キーボードはUSB接続のモノは認識が不安定な場合があるので、昔ながらのPS2接続のモノの方が良いようです。(ジャンクでも何でも使えればいいです)
③音楽データの入ったNASを用意。(今回は一例として共有フォルダを「disk」という名称にして、その中に更にフォルダを作って音楽データを入れています)
④USB-DACを用意し、t5630wに接続しておく。
⑤設定に使うWindows PCに「SSHソフト」をインストールしておく。
インストール作業及びインストール後の環境設定はWindows PC側から「SSHソフト」でt5630wにLAN経由でアクセスして行います。今回私は使いやすさで定評の「putty」(http://www.chiark.greenend.org.uk/~sgtatham/putty/download.html)を使用しました。(MacでのSSH接続方法もネット上に情報がありますので参考にして下さい。)
以上の準備が整ったら次に行きます。
【t5630wのBIOSの設定】
t5630wのBIOSを設定します。
電源を入れ、このHPのロゴマーク画面が出ている間にF10キーを押してBIOS設定画面に入ります。
ここでは以下の設定を行います。一番肝心なのは内蔵オーディオを無効にすること。
①システム日付を確認(狂っている場合は一応合わせる)
②内蔵オーディオOFF「Integrated Audio→Disabled」
③シリアル・パラレルポート→Disabled
④ブートデバイスの設定 ファースト→USB
セカンド→ATA Flash
サード→network
以上の設定が終わったらBIOSをセーブして終了する。
ここで再起動し「LIveCD]をセットしたCDよりブートする。
【t5630wを立ち上げる】
①無事ブートしてこの画面が出たら一番上の「voyage Linux」を選ぶ。
ブート中に「このベンダーはサポートしていません」という旨のメッセージが出ますが、t5630wがVIAのチップセットであるためで、気にしなくても良いです。
②しばらく待って「Voyage Login」と出たらroot(初期設定のアカウント)と入力しenterを押す。
③「Password」と出たらvoyage(初期設定のパスワード)と入力しenterを押す。
④しばらくして「root@voyage~#」が出たらifconfigと入力しenterを押す。
⑤「inet addr:192.168.×.×」の値をメモします。これがこの時点でt5630wに割り当てられたIPアドレスです。
ここまで来たらt5630wはこのままにしておきます。
この後はwindows PCからSSHソフトを使用してt5630wにアクセスしてインストールの続きを行います。
【インストール手順】
①Windows PCでSSHソフト(今回は「putty」を使用)を立ち上げる。
「ホスト名」の所に先程メモしたIPアドレスの数字(192.168.×.×)を入力して「開く」をクリック。
これでt5630wとWindows PCが接続されます。以降の設定はWindows PC側から「putty」を使用して行います。
もしこんな画面が出たら「はい」をクリックしてください。
この画面が出たらt5630wとの通信は成功しているのでlogin as:でrootと入力。
passwordにはvoyageを入力。
この画面が出たらt5630wとの接続は成功です。
これから先はコマンド操作となりますので一字一句間違えないように(文字と文字の間に空白の有り無し、iとl、0とoなどの間違いなど)気をつけてゆっくり確実に入力していって下さい。
基本的にはファイル編集のコマンド(後述する先頭にnanoと付くコマンド)以外は入力すると何のメッセージも出ず、root@voyage~# と次のコマンドの入力待ちになります。何かメッセージが出たらコマンドが間違っています。
下はコマンドの文字を間違えてメッセージが出た例です。
ln -sをin -sと間違って syntax error(綴り間違い) と表示されてます。
あくまでこれは一例ですのでエラーメッセージが出たら良く読んで対処して下さい。
あと、コマンドによっては処理に時間が掛かるものもありますので慌てず次のコマンド要求を待って下さい。
t5630wとの接続が成功したらインストールの続きを行います。
②インストールするフォルダを作成。
mkdir /tmp/rootと入力。(当たり前ですが入力後はenterを押して下さいね)
mount -o loop /lib/live/mount/medium/live/filesystem.squashfs /tmp/rootと入力。
cd /tmp/rootと入力。
③インストール先にマウントポイント作成。
mkdir /tmp/cfと入力。
④インストール先のフォーマット
/usr/local/sbin/format-cf.sh /dev/hdaと入力。
enterを押す(フォーマットが開始される)。コマンド待ちに戻るまで待ちます。
⑤インストール時の設定開始
/usr/local/sbin/voyage.updateと入力。
これ以降は質問に答えていく形式になります。
1を入力。
何も入力せずenterを押す。
2を入力
デフォルトは7になっているが、今回は普通のPC(t5630w)にインストールするので9(Generic PC)を入力。(ここを間違えたら動かないので絶対に間違わないこと)
3を入力。
/dev/sdaと入力。
1を入力。
何も入力せずenterを押す。
4を入力する。
何も入力せずenterを押す。
1を入力する。
5を入力する。
2を入力する。
6を入力する。
1を入力する。(今回はt5630wの内蔵フラッシュメモリにはVoyage MPDだけをインストールするので1で良い)
7を入力する。
今までの設定内容が表示されるので、この通りの設定になっているか確認する。
違っていればどこかで入力ミスをしているのでnを押して該当項目を設定し直す。
この通りになっていればyを押す。
インストールが開始される。
ファイルのコピーが終わったら質問が出ますので8を入力。
root@voyage:/tmp/root#が表示され止まったらインストール完了です。
CDドライブを取り外します。
rebootと入力してt5630wを再起動します。
これでインストール自体は完了しました。
引き続きVoyage MPDの各種設定を行っていきましょう。
次の記事に続きます。
【Voyage MPD】0.10.0のインストール全手順(t5630w・その1)
みなさま、あけましておめでとうございます。2017年・新年一回目の更新になります。
本年もどうぞよろしくお願い致します。
ずいぶん前にVoyage MPDのインストール手順の記事を書きました。
今回は現在の最新バージョンである0.10.0のインストール手順を纏めたいと思います。
とりあえずVoyage MPDをインストールしてとにかく音を出す、というところまで書きたいと思います。
それ以上のチューニングとか必要な個別設定などは詳しい解説サイトが数多くありますのでそちらをご覧下さい。
今回は前回同様格安のジャンク扱いで売っていたHPのシンクライアントPC t5630wにインストールしてみました。
なぜシンクライアントPCに私が拘っているかというと、コスパが良いこととファンレスPC(つまりは静音)だからです。
汎用のPCでも同じ手順でインストール出来ると思いますので参考になればと思います。
まず、今回の導入環境です。以下の環境で行いました。
その前に当ブログの「【Voyage MPD】激安で高音質なPCオーディオ環境を構築する(その1~その6)」の記事にざっと目を通しておいていただけると幸いです。
①今回インストールするのはHPのシンクライアントPC、t5630wです。今回新たに1台格安で(ジャンク扱い980円)で入手してきました。どノーマル機です。仕様は「CPUはVIA Eden 1GHz,メモリは1GB DDR2 SODIMM,記憶装置として2GBのSSD(フラッシュメモリ)を内蔵」となります。
前回まではt5720にインストールしていたのですが、今回のバージョンからはアップデートするとt5720の512MBのSSDでは容量が足りないため今回はt5630wを用意しました。
②インストールにはt5630wの他にWindowsかMacが一台必要ですが、今回はWindows機を使用します。私は仕事でMacを使うだけで自分で所有しておりませんので。(Macでのインストールは他のサイト様も参考になさって下さい。SSHソフトの使い方が違うだけで基本的な導入手順は同じです。)
③楽曲データはNASから読み込む事とします。USB外付けHDDやUSBメモリからでも読み込めますが、使い勝手を考えると現実的にはNASが最適だと思います。(USBを使う場合は他のサイト様も参考になさって下さい。)NASはまあ当然でしょうけどIPアドレスを固定しておいて下さい。私はNASに楽曲データをFLAC形式でリッピングして保存したものを使用しました。
④インストールはUSB外付けDVDドライブから「Live CD」を使用して行います。USBメモリからインストールすることも出来ますので、その方は他のサイト様も参考にされて下さい。
⑤DACは今回自作のUSB DACを使用しましたが、これは「USB Audio Class 2.0」準拠のUSB DACであれば何でも大丈夫だと思います。(Linuxは「USB Audio Class 2.0」に標準で対応しているため)
前提条件は以上です。
【t5630wシンクライアントPCの前準備】
この項はシンクライアントPCを使わない方は読み飛ばしていただいてかまいません。
今回も前回同様、シンクライアントPC特有の問題を回避するための前準備を行います。
以前の記事でも書きましたが、私のVoyage MPDインストール済みのt5720で「プレイリストが作れない」という事象が発生しました。
私は普段プレイリストとかは作らないので発見が遅れたのですが、ある日「ネットラジオでも聴いてみよう」と思い、ネットラジオ用のプレイリストを作って保存したにも関わらず、電源を切ると消えてしまっているのです。
これはシンクライアント特有の「データはメモリ上に格納され、電源を切ったら消える」という機能のためと思われます。この機能はシンクライアント専用のWindows XP Embeddedを入れた時だけ機能するものだと思っていたのですが、どうもハードウェアにも依存しており、設定をSRAMかどこかで保持しているようです。(調べて見ましたがハードウェアに関する資料が見当たらないため確証は無いのですが、作成してセーブしたはずのファイルが電源を切ると消えるというのはこの機能が働いているとしか考えられないと思います。)
そこで、Voyage MPDのインストール前に一度Windows XP Embeddedをインストールしてこの機能を切ってからVoyage MPDをインストールしてみましたら、無事プレイリストがちゃんと保存されました。今回もこの手順を以下で説明します。
まずは設定が消えないようにSRAMのバックアップ電池を一応交換しておきます。(中古は多分電池がヘタっていると思いますので)t5630wのネジを外してカバーをずらして開けていくと内部に辿り着きます。電池ソケットがありますので電池を交換して下さい。電池は100均にも売っているCR2032が1個です。
BIOS画面への入り方はこの画面が表示されているときにF10キーを押します。
次にBIOSを工場設定値に戻してセーブします。
次にインターネットに繋がっているパソコンからHPのホームページのt5630w用のダウンロードページに行きます。(「t5630w Windows」とでも検索すれば見つかります。)
ここで「Windows Embedded Standardイメージバージョン5.1.926A」をダウンロードします。exe形式でダウンロードされますのでこれを実行してUSBメモリーにイメージを展開します(USBメモリーはフォーマットされたのちイメージが展開されますので空のメモリーを用意してください。)
次にt5630wにUSBメモリーを繋いでUSBメモリーからブートします。
2回質問してきますので両方yを答えます。するとフォーマットが始まり、その後インストールが始まります。
何度か再起動した後、最終的に「User」というアカウントでWindowsが立ち上がります。
この後、管理者モードでログインし直すのですが、その手順はここには直接は書きません。なぜならまだこのt5630wが現役で使われているところがあればイタズラされる恐れがあるからです。
その方法は「t5630w クイックリファレンスガイド」で検索すると「HP Thin Client用 Microsoft® Windows Embedded Standard(WES)2009クイック リファレンス ガイド」というPDFファイルが見つかりますのでその中に「管理者ログオンへのアクセス」という項目で書いてあります。
管理者でログオンしたら、右下の南京錠のアイコン(初期状態は緑)を右クリックし、メニューから「EWF無効」を選択します。
南京錠のアイコンが赤色になればOKです。t5630wをシャットダウンします。
以上でt5630wのVoyage MPDインストール前準備は完了です。
【Voyage MPDインストール用Live CDの準備】
Voyage MPDのダウンロード元ですがここで間違う方が多いようなので説明します。
上の画面はVoyage MPDの公式サイトhttp://linux.voyage.hk/voyage-mpdですが、良く間違えて「Voyage Linux」のボタンを押してダウンロードされる方が多いようです。正しくは「Voyage MPD Live CD」のリンクもしくはダウンロードボタンですので間違えないようご注意ください。
ファイルはISOイメージでダウンロードできますのでこれをCDに焼いて下さい。以上でt5630wの前準備およびVoyage MPDのインストール用Live CDの準備は終了です。
ここで一旦記事を分けます。次回からVoyage MPDをt5630wにインストールしていきます。
Voyage MPDを同一LAN内で複数台同時に鳴らしてみる。
私の場合、PCからVoyage MPDを操作するクライアントソフトは「Gnome Music Player Client」(GMPC)を使用しています。人によってはクライアントソフトで音が変わるとおっしゃる方もおられるのですが、私にはちょっとそこまでの聴き分けは出来ないです。すみません。うちの環境ではもう一つの定番であるFirefoxのアドイン「Minion」もどうやっても動きませんでしたし。
そのGMPCも今回11.8にバージョンアップしていたので使ってみましたが、なかなか使いやすくなっています。やはりPCではこのGMPCが一番使い勝手としてはオススメです。
さて、表題の「同一のLANの中で複数のVoyage MPD導入パソコンを同時に鳴らす」方法ですが、これは簡単です。interfacesを編集してVoyage MPD導入パソコンのIPアドレス固定を行いますが、このIPアドレスをそれぞれ違うアドレスに設定してやればOKです。
コマンド待ちからnano /etc/network/interfacesと入力します。(エディタにnanoを使用している場合)
ここでのaddressの記述でそれぞれのPC毎に別々のIPアドレスを割り当てるだけです。
次にクライアントソフトの設定をします。ここではGMPCを例に説明します。
それぞれのIPアドレス毎にProfileを作ります。ここでは「Voyage MPD」と「Voyage MPD 2」の2つのProfileを作りました。
GMPCでは2つのProfileが作れます。
そしてそれぞれのProfileでConnectを押し、Voyage MPD導入パソコンに接続します。エラーメッセージが出なければConnectは成功です。
切替は「Music」→「Profiles」で行います。
初回の起動ではそれぞれについて「Server」→「Update MPD Database」からデータベースを作りましょう。
以上の設定で同一LAN上で2台のVoyage MPD導入パソコンが使えます。もちろんそれぞれでNAS上にある別々の曲を同時に鳴らすことが可能です。GMPCでは2つのProfileしかつくれませんが、スマホやタブレットのクライアントソフトを使えば2台以上を同時に使うことも可能です。それぞれの部屋にVoyage MPD導入パソコンを置いて、それぞれの部屋で違う曲を聴くという使い方も出来ます。
以上、Voyage MPDについていろいろ書いてきましたが、ひとまずここで終了とさせていただきます。皆様無事に導入及び活用が出来ますことを願っております。
また何か新しい事がありましたら記事を書いてみたいと思います。
私はこの後超小型パソコン「Raspberry Pi」を使ったMPD、「RaspyFi」に挑戦してみようと思っています。皆様、長々と書いた記事におつきあいいただきありがとうございました。ではまた。
Voyage MPDで同時に2台のDACを鳴らしてみる。
Voyage MPDでは同時に複数のalsaデバイスを鳴らすことが出来ます。つまり例えば1台のVoyage MPD導入パソコンに2台のUSB-DACを繋いで同時に鳴らすことが可能です。
今回はVoyage MPDを導入したHPのシンクライアントPC・t5720に「Stereo」誌2013年1月号の付録だったDAC「LXU-OT2」とDigifi2013年10号の付録だったOlasonic製DACの2台を繋いで同時に鳴らしてみました。
まず2台のDACをt5720のUSBポートに挿してt5720を立ち上げます。そしてSSHソフトを使用してWindowsパソコン(もしくはMac)からリモートで入り込みます。
何をおいてもまずはコマンド待ちからremountrwと入力します。(これをやらないと変更が反映されない)。
そしてコマンド待ちからaplay –lと入力します。
すると以下のように現在繋がっているデバイスが表示されます。
この例ですとcard番号0,device番号0にOlasonicのDACが、card番号1,device番号0にLXU-OT2が認識され割り当てられていることがわかります。
一つのcardで複数のdeviceを持つDACなどもありますが、今回は説明を割愛します。(私がそのようなDACなどを持っていないため。)
これをメモしたらmpd.confを編集します。
コマンド待ちから nano/etc/mpd.confと入力します。(エディタにnanoを使用する場合)
audio_outputの記述の部分を探し、上記の例のようにaudio_output { から }までをコピー&ペーストし、2つのaudio_outputの記述を作ります。そして1つ目のaudio_outputのdeviceの記述を”hw:0,0”(カード番号0,デバイス番号0の意味)、2つ目のaudio-outputのdeviceの記述を”hw:
1,0”(カード番号1,デバイス番号0の意味)に変更します。
また、それぞれのnameの記述を自分のわかりやすいように変更します。
上の例では1つ目のaudio-outputにOlasonicのDACの記述をし、名前を「My ALSA Device Digifi」、deviceの指定をカード番号0,デバイス番号0としました。
同様に2つ目のaudio-outputにLXU-OT2の記述をし、名前を「My ALSA Device Stereo」、deviceの指定をカード番号1,デバイス番号0としました。
以上の変更をしたらセーブして終了し、コマンド待ちからrebootと入力して再起動します。
再起動してクライアントソフト側のALSA Deviceの設定を見ると先ほど設定した2台のDACの設定が反映されています。(この例ではクライアントソフトはCMPC(Genome Music Player Client)を使用しています)。
両方にチェックを入れれば2台のDACから同時に音を出すことが出来ます。これを使って例えばDACの同時聴き比べなんていうのも面白いのではないでしょうか。
また別の記事で同一LAN内で2台のVoyage MPD導入パソコンを稼動させる方法を書いてみたいと思います。