PCエンジン用・「液晶操作機器搭載裏蓋壱號キット(メルクリウス)」を作ってみた。
昨年末、秋葉原の「家電のケンちゃん」にて、懐かしのPCエンジンを携帯機化する同人キット「液晶操作機器搭載裏蓋壱號キット(メルクリウス)」(以下メルクリウスと記載)が売り出され瞬時に完売したのですが、運良く第2回販売時に入手出来たので作ってみました。
メルクリウスはサークル「team mercurius」さんが開発したキットです。
このキットの他に必要なものは、
1.PCエンジン本体(初代・コアグラフィックス・コアグラフィックスⅡ)のどれにでも対応。シャトル・スーパーグラフィックスは対象外。
2.LCDDRV REV.3.2(サークル「NX Labs」さん開発の汎用LCDドライバボード)
3.LCDDRV Rev3.2対応4インチ液晶パネル(家電のケンちゃんさんで取り扱い中)
4.純正コントローラ(連射機能のあるもの)
です。
同人キットとしては珍しく100ページ超のマニュアルがPDFで用意されており、ハンダ付けさえ出来れば初心者でも頑張れば完成できるのではないかと思います。(逆にこれ作れたら多少のキットは作れる腕前になっていると思います)
まず、どのPCエンジンで作るかということで、私は初代を選びました。なぜなら、一番「PC Engine」のロゴが大きいので「これはPCエンジンですよ」との主張も十分と感じたからです。一台状態の良いのを持ってはいますが、本体を改造するのでジャンクで中古品を入手することにしました。PCエンジンの本体に至ってはよっぽど酷くない限り不動のジャンクというのは見かけませんのでまあ、大丈夫かと。
ということで1台入手しました。初代の例に漏れずかなり黄ばんで外観は汚いです。まずは動作確認ですが、初代はコンポジットビデオ出力が無くRF出力のみですのでアナログテレビとRFスイッチが必要ですが、別売りのAVブースターかCD-ROM2のインターフェースユニットを使えばテレビとコンポジットビデオ接続が可能です。(というか背面の拡張端子にはコンポジットビデオ信号が出ているんですけどね)
CD-ROM2インターフェースユニット。
無事「ゼロヨンチャンプ」が動作しました。動作確認OKです。
しかし、PCエンジン初代はもう発売されてから30年以上経っています。せっかく改造するので長持ちさせたいということで、恐らく経年劣化しているであろう内部の電解コンデンサーを全て交換することにしました。
PCエンジン本体の分解には特殊ドライバーが必要です。エンジニアというメーカーのDTC-27というドライバーを使います。これはスーパーファミコン等にも使えますのでレトロゲームを扱う上では持っていて損の無い工具だと思います。
取り出した基板。
この部分に13個。
こちらに2個。
ここに1個(これはサイズの小さいものなので買うときに注意が必要)。計16個の電解コンデンサーがあります。
今回は秋月電子にて以下のコンデンサーを用意しました。
1.1㎌50V85℃(ルビコンPK)8個
2.10㎌50V85℃(ルビコンPK)3個
3.22㎌50V85℃(ルビコンPK)1個
4.47㎌35V85℃(ルビコンPK)3個
そして上記の小さいコンデンサーとして
5.10㎌35V85℃(ニチコンMW)1個
以上計16個です。
全ての電解コンデンサーを外して…
プラスマイナスの極性を間違えないように付け替えて作業完了です。
同時にケースを酸素系漂白剤に浸けてホワイトニング。
多少黄ばみは残りましたが見違えるほど白くなりました。
再度動作確認。無事交換できたようです。
コントローラーは以前ジャンクで入手したPCエンジンDUO用のものを使います。準備します。
コントローラーは前の持ち主の手垢や埃が付いてることが多いので、私の場合は分解したら基板を除くパーツは塩素系の漂白剤を薄めたものにしばらく浸けて水洗いしてよく乾燥させます。ゴム部品は破れたりしていたら使えませんので良くチェックします。コントローラー基板にも1個電解コンデンサーが付いていますので気になる方はこちらも交換すると良いです。また化粧板をきれいに剥がしておきます(結構簡単に剥げます)。
このあとは、私があれこれ書くよりも詳細なマニュアルに従って作業を進めた方が良いので、詳細な手順は書きません。
まずはメルクリウス基板に必要な部品を実装していき完成させます。
メルクリウス基板から本体・コントローラー基板・LCDDRV基板へ配線をしていきます。
途中で表示確認。バッチリ動作しているようです。
キットの裏蓋側へコントローラ基板、液晶、LCDDRV基板を実装していきます。
配線を纏めてフタを閉めたら完成!なのですが…。
マニュアルに書いて有るとおり、純正コントローラーの配線の線材があまり品質が良くなく、ハンダ付けしている間に被服が溶けていくため、それが原因でコントローラーの配線がショート気味だったので、マニュアルにあるとおりリボンケーブルでコネクタを使わず直接配線してトラブルは無くなりました。
コントローラーの化粧板を貼って完成!です。カトちゃんケンちゃんで動作確認。バッチリです。
マイクロUSB端子から5Vの給電で動作するので出先でもモバイルバッテリーでPCエンジンが遊べます。
スペハリもバッチリです。
画像はとても綺麗で音も良く、ヘッドホンも使えるので寝っ転がってPCエンジンが遊べます。
実機から手に入れても3万円ほどで完成しますので、お休みの工作にいかがでしょうか?
ただまだ今現在は入手難のようですので、欲しい方は「家電のケンちゃん」のサイトで入荷通知の登録をして待ちましょう。
メガドライブに音声出力端子を増設する。
ネット上にも多く事例があります故、今更な感じではありますがとりあえずやってみたので。
セガのコンシューマーゲーム機、メガドライブです。1988年10月発売。もう26年前になるんですね。当時の定価は21,000円でしたが、当時はファミコン1強の時代。実売は結構安く売られていました。16-BITの文字が眩しいぜ~。
このメガドライブ、ゲーム自体はどれもステレオ音声で作られているのに肝心の本体は標準で付属しているビデオケーブルを使った場合、音声がモノラル出力です。(と言うかそもそも背面の出力端子に音声がモノラルでしか出ていない)。
時代的には電気屋さんに並んでいるテレビの主力はステレオでビデオ入力もあるものが主流になっていましたが、まだまだモノラルのテレビを使ってる人も相当多くいた時代。まして少年少女たちがゲームをすることを許されているテレビは居間にある大きなテレビじゃなくて14型の小さなモノラルテレビってのも多かったんじゃないかな。
そんな時代だったからなのか、それともメガドライブの前世代のセガのゲーム機である「マークⅢ」や「マスターシステム」とケーブルの互換性を保ちたかったからなのか、いずれにしてもなんでこんな設計に落ち着いたのかはいまひとつ腑に落ちない部分であります。
じゃあどうやってステレオでゲームの音声を聴くかと言うと、前面にあるヘッドホン端子。ここにはステレオで音声が出ていますのでここにヘッドホンもしくはオーディオコードを繋いでステレオテレビやステレオアンプと接続して聴くということになります。
ところがこのヘッドホン出力から出る音声がすごくノイズが乗るんですよ。ヘッドホンアンプがヘボいのか、元々の音声周りの設計が悪いのか。なので先人の方々が過去にいろいろな手段でメガドライブの高音質化改造を施して来た訳です。
今回はそこまで凝ったことをするわけでは無く、ヘッドホンアンプ手前のIC出力から音声を取ってしまおうという改造です。
まずはこちらの記事をご覧下さい。
これ、ネット上にあった画像なんですが、元々はセガの機関誌に載っていた記事の転載なので引用させていただきました。そう、セガは公式にこの改造方法を公開してたんですね。普通のメーカーじゃあり得ないんですが「だってセガなんだもん」って事で(笑)。
早速メガドライブ本体を開けます。普通のプラスドライバー1本で開きます。
本体を開けるときに電源表示のLEDに繋がってるコードがありますので勢いよく開けないように。このコードを取り外します。LEDには極性がありますのでどっちに赤いコードが繋がっていたかちゃんと覚えておきましょう。(赤は+。LEDの足が長い方に繋ぐ)
メガドライブは製造時期によっていくつかの基板のバージョンがあります。今回改造するメガドライブはかなり後期型のVA6基板。VA5~VA6基板あたりはメガドライブの中では比較的高音質な基板と言われています。
回路図のとうりにソニー製の「A1034」ICの足からL,R,GNDの各配線を取り出します。(写真は基板裏に配線を繋いだもの)。
今回は滅多に手を入れる場所では無いため手抜きしてカップリングのコンデンサーは空中配線してます。良く見るとハンダがツノになってますね。恥ずかしいです。ああ、きっちりと温調の出来る良いハンダゴテが欲しいです。…てかいくら手抜きとは言え雑にハンダ付けすんなよって事ですが(^^;
コンデンサーの極性は間違えないでくださいね。当然ですが回路図どうり+がIC側ですから。
ピンジャックは背面に取り付けて改造完了です。手抜き作業してる割には金メッキのジャック使ったりして我ながら何考えているのやら。
この改造は音声回路の途中のICから音声信号を取り出すだけなので元のヘッドホン出力も当然生きてます。どちらでも使えると言うことで。
ちょっと出力信号のレベルは低めですが、ステレオアンプやテレビに繋ぐ分には問題無いと思います。それではメガドライブでステレオ音声をお楽しみください。
メガドライブ版「バーチャレーシング」を修理する。
1992年にセガからアーケードゲームとしてリリースされ、好評を博した「バーチャレーシング」。1994年には家庭用機「メガドライブ」に移植されました。
アーケード版の「バーチャレーシング」は当時のセガの最先端システム基板「MODEL1」を使用していましたが、それを家庭用機のメガドライブに移植するのは不可能と言われていました。それをセガはゲームカートリッジ内に秒間9,000ポリゴンの処理が可能な「セガ バーチャプロセッサー」というこのために開発したチップを積むことで力業で移植を可能にしてしまいました。秒間9,000ポリゴンというのはこのしばらく後に発売された「プレイステーション」の能力が秒間36万ポリゴンなのを考えると大したこと無いのですが、間もなく「セガサターン」が発売されるというタイミングでほぼモデル末期のメガドライブで叩き出す性能としては立派なものだと思います。「機能が無ければ追加すりゃいいじゃん」って発想がいかにもセガらしいと言えばそれまでなんですが、果たしてチップの開発費用の元が取れたのやら。
発売からすでに20年が経過して、久々に実機で動かしてみると「数回に1回しか起動しない」「起動しても途中でゲームが止まる」という状態になっていました。原因を調べるために中を開けてみます。
スーパーファミコン等でお馴染みの特殊なネジが使われているので普通のドライバーではネジが外せません。
そこでエンジニアというメーカーから発売されているDTC-27という型番の特殊なドライバーを使います。レトロゲームを扱う人には必需品ですね。
中を開けると中央に一際大きなチップが。多分これが「セガ バーチャプロセッサー」なんだと思います。見ると電解コンデンサーが左右に2つ使われています。古い機器ではまず電解コンデンサーを疑ってみるのは基本です。
見ると電解コンデンサーの足が半田付けされている基板のパターンが腐食してます。容量の抜けを測定するまでもなく明らかに経年劣化による液漏れを起こしています。これを取り替えます。
外した電解コンデンサーです。6.3V 47uFが2個。液漏れした電解コンデンサーはすごい悪臭がします。液漏れがかなり進行していると基板のパターンまでもが腐食してしまい、修理が大変になるのですが、幸い首の皮一枚といった感じでパターンが残っており、イソプロピルアルコールで磨いてテスターで導通を確認したところ正常でしたので通常品の16V 47uFの電解コンデンサーと取り替えます。プラスマイナスの極性がありますので外す前に確認しておきましょう。
取り替え後です。ショートしてないか、ちゃんと導通してるかテスターで確認します。
発売当時買ったものと最近ジャンクで買ったもの、両方液漏れ起こしていたのでどちらも交換しました。
動作確認です。一発で起動&途中停止も無くなりました。メガドライブ版はグラフィック自体は頑張ってはいるもののやはりハードの制約で今ひとつですが、自車の操作フィーリングとか挙動とかは非常に良い感じで移植されていて結構気に入ってます。この他にスーパー32X用の「バーチャレーシング デラックス」も所有しており、当然こちらの方がグラフィックも良く、一番の移植の出来と言われてますが、個人的にはどちらも好移植と感じておりお気に入りです。
ドリームキャスト用VGAアダプタを作ってみた。
先日、ドリームキャスト用のSDカードアダプタ製作の記事を載せましたが、今回はVGAアダプタを製作してみました。と言ってもすでにいろんな方が作られてますのでそれに倣ってやってみたという感じですが。
ドリームキャストの大きな特徴として「パソコン用モニターにVGAでの出力が出来る」ということが上げられます。現在のゲーム機で主流のHD出力には到底及びませんが、ドリームキャストが現役当時の家庭用ゲーム機はRGB出力を除けば良くてS端子による出力くらいで、パソコン用の31KHz・640×480ドットのモニターにVGAモードで出力できるというのは群を抜いて美しい画面でプレイすることが出来るということでした。
この機能は標準状態では使用することは出来ず、セガから純正オプションとして発売されていた「VGAボックス」を繋げる事によって使用できるようになります。このVGAボックス、定価が7,000円とかなり高価なオプションだったので実売が半額以下で発売されていた上の写真(ゲームテック社製のDC-VGAデミロ)のようなサードパーティ製のVGAアダプタを使ってる人も多かったです。
また、ゲームソフトも「VGA出力対応」と記載があるのものだけがVGA出力可能です。
非純正のVGAアダプタは現在でも中国あたりで作られてるモノが入手出来るのですけど、そんなに難しくもないので今回作ってみました。
参考にさせて頂いたのはSDカードの時と同じ、こちらのブログさんです。
てきとうなブログ (リンクフリーということで貼らせていただきました)
dreamcast その21 http://ayasuke.exblog.jp/15567611/#15567611_1
回路図はこちらになります。
http://ayasuke.exblog.jp/iv/detail/index.asp?s=15567611&i=201105/18/22/b0030122_1924527.jpg
なお、ドリームキャストは100Vを使用していますので分解する場合は細心の注意をお願い致します。
感電などの事故につきましては当方では責任を負いかねますので、自己責任でよろしくお願いします。
信号を取り出す配線を行うのはマザーボード上の下の写真の場所です。
配線後。
配線後、間違いが無いか確認してホットボンドで固めます。
今回もまたコードの接続にはピンヘッダを用いて本体の背面にスリットを入れ、そこから配線を外に引き出します。
元通り組み立てて配線の引き出しは完了です。(1本は前回のSDカードアダプタ用の配線です。)
VGAアダプタ本体は例によってユニバーサル基板上に組んでタッパーに収めました。ステレオ音声出力はピンジャックを使用しました。2回路のスイッチはVGA出力しかしない場合は必要無いのですが、付けておかないとVGA非対応のソフトを使うときに使い勝手が悪いので付けることをお勧めします。
配線さえ間違えなければ結構簡単な回路ですので電子工作の入門として挑戦してみてはいかがでしょうか。
また、VGAの話からは逸れますが、今回はついでにドリームキャストには付いてない「ハードウェアリセットスイッチ」を取り付ける事にしました。
上の写真2カ所に配線をし、間に適当な押しボタンスイッチを付けるだけです。
私は小型の押しボタンスイッチをこの部分に取り付けました。
動作確認です。モニターや音声ケーブルを繋ぎます。
VGA入力のあるプラズマテレビに繋いでみました、無事に画面が出ました。やはりS端子などと違って段違いに綺麗です。
前回製作したSDカードアダプタと今回製作したVGAアダプタです。これでドリームキャストを綺麗な画面で遊べてデータの吸い出しも可能になりました。
まだまだうちではドリームキャストは現役です。今後もいろいろと遊んでみようと思います。
とりあえず今回はここまで。
アイドルマスターな日々
今年ももう半年が過ぎようとしているのにブログの更新が滞っていてすみません。
ネタはそれなりにあるのですが、記事書いてる時間が…。言い訳ですが。
今年に入ってから何やってたかというとずっと「アイドルマスター」漬けの日々でした。
「アイドルマスター」がアーケードゲームとしてゲーセンで稼働した2005年から「アイマス」は私の趣味の中で優先順位が常にほぼ最上位にあります。テレビアニメ化の際にはブルーレイを全部買いましたし、一昨年の7周年横浜アリーナ2days LIVEは2日間とも抽選に当たって観に行きました。
もっとも上には上の人が山ほどいるので私なんかはプロデューサー(このゲームのプレイヤーはこう呼ばれる)の末席の一人でしか無いのですが。
今年は1月25日に劇場版「THE IDOLM@STER MOVIE 輝きの向こう側へ!」が封切られて、うちから一番近い上映館が北九州・小倉の「Tジョイ・リバーウォーク北九州」だったので、毎週末北九州に通って何回も観てました。(山口では封切りから4週遅れでMOVIX周南で短期間上映しただけ。うちからは周南より小倉の方が近い)
んで、今回はこれ。
5月15日発売のPS3用ゲーム「アイドルマスター ワンフォーオール」です。(写真は初回生産限定版)
ゲームが原点のアイマス、今回は「アイドルマスター2」から実に3年ぶり、待ちに待った新作です。
わざわざバンダイナムコゲームスからポスターを貰ってきて部屋に飾ってやる気を高めたりしてます(笑)
このために狭い部屋に42インチを無理矢理押し込んでるようなもんです(うそうそ、映画好きなので大きい画面で観たかっただけ)。しかし、このPS3レベルでの3Dモーションキャプチャー&トゥーンシェーディング技術は、
観るほどに凄いなぁと思います。アーケードの時はPS2上位互換基板でしたから技術の進歩には感動します。
ぶっちゃけた話、今これにどっぷり時間を費やしてるので多分更新がしばらく滞ると思います。
楽しみにして下さってる方(いるのか?)、一通りクリアし終わったらまた更新始めますのでしばらく気長にお待ち下さいませ。見捨てないでどうぞよろしくお願い致します。
ちなみに「アイドルマスター」、やってみたいと思っている方、アイマスはどっぷりハマったら破産するほどお金使いますのである程度距離を置いたつきあい方をするのがコツです、とだけは言っておきます(^^;