X68000 ACE-HDのバックアップ電池を交換する。
以前、懐かしのパソコン「
SHARPパソコン X68000 EXPERT-HDのバックアップ電池交換【レトロパソコン】
」という記事を書いたことがあります。製造終了から20年以上経った現在ではSRAMのバックアップ電池はまず死んでいるのが普通で、私の所有機もそのような状態になっておりましたので交換を行いました。今回は2台目です。「ACE-HD」のバックアップ電池を交換します。
前回の「EXPERT-HD」は一次電池である「CR2450」が使用されているため、電池そのものの交換で終わりましたが、今回交換する「ACE-HD」は充電式の二次電池(ニッカド)が使われています。
ネット上で同じ事をやってる方々の記事の中には二次電池用のキャパシタ(蓄電回路)になってる回路に逆流防止のダイオードを付けて一次電池を取り付けている例も多くみられます。確かにポピュラーな一次電池にした方がその辺で入手できるし、充電のために時々通電する手間が要らないので便利なのですが、万一ダイオードの故障などでその機能を果たさなくなった時が怖いので(一次電池に充電しようとすると電池の破裂などを招く事もある)、本来と同じくニッカド電池と交換することにしました。
まずは「ACE-HD」の底面の基板を取り出します。
これがSRAMのバックアップ電池です。GS製のニッカドバッテリーGB50H-3です。50mAh,3.6Vです。完全に死んでおり充電も何も出来ません。当然このままX68000を起動しても「エラーが発生しました。リセットしてください。」のメッセージが出て起動しません。
このバッテリーは年月の経過と共に盛大に液漏れするようで、そうなっていた場合は基板のパターンが完全に腐食してダメになっている事があります。もしそうなっていると基板のパターンを追いかけてどこかにジャンパーで繋ぐ必要があります。また、この基板は機体底面にあるため、X68000の定番故障「電源の電解コンデンサーの破裂・液漏れによる故障」を起こしていた場合は、その電解液が配線を伝わってこの底面基板を腐食させている場合もありますので、今からX68000の機体を手に入れようという場合はそういう状態の機体もありうる」と覚悟しておく必要もあります。。
今回は電池に液漏れが発生しかけている状態で多少パターンに腐食が見られましたが、電池を取り外して清掃・磨いたところ、導通はしておりましたので、そのまま交換となりました。
このバッテリーはもうすでに生産中止というかこの製造元自体がすでに無いので今回は代替相当品を使います。現在日本国内で一番手に入りやすい相当品はドイツのVARTA(ファルタ)製の3/V80Hというニッケル水素電池です。70mAh,3.6V。サイズ的にもほぼ同じなのでそのまま取り付けが出来ます。ネット上にいくつか通販をしているサイトがあります。
+-を間違えないように取り付けて交換完了です。交換後にX68000が正常に立ち上がればまずはOKです。SWTCH.X等の設定をして、しばらく通電した後、電源をコンセントから抜いてその後もう一度X68000を立ち上げ、設定が消えていなければ交換完了です。お疲れ様でした。
…なんですが、実はこの機体は先に述べた「電源の故障」を起こしていますので立ち上げることが出来ません(^^;。なので電源をDOS/V機で使われるATX電源が使えるように改造しようと思います。それはまた別の記事で紹介したいと思います。とりあえず今回はここまで。
Voyage MPDを同一LAN内で複数台同時に鳴らしてみる。
私の場合、PCからVoyage MPDを操作するクライアントソフトは「Gnome Music Player Client」(GMPC)を使用しています。人によってはクライアントソフトで音が変わるとおっしゃる方もおられるのですが、私にはちょっとそこまでの聴き分けは出来ないです。すみません。うちの環境ではもう一つの定番であるFirefoxのアドイン「Minion」もどうやっても動きませんでしたし。
そのGMPCも今回11.8にバージョンアップしていたので使ってみましたが、なかなか使いやすくなっています。やはりPCではこのGMPCが一番使い勝手としてはオススメです。
さて、表題の「同一のLANの中で複数のVoyage MPD導入パソコンを同時に鳴らす」方法ですが、これは簡単です。interfacesを編集してVoyage MPD導入パソコンのIPアドレス固定を行いますが、このIPアドレスをそれぞれ違うアドレスに設定してやればOKです。
コマンド待ちからnano /etc/network/interfacesと入力します。(エディタにnanoを使用している場合)
ここでのaddressの記述でそれぞれのPC毎に別々のIPアドレスを割り当てるだけです。
次にクライアントソフトの設定をします。ここではGMPCを例に説明します。
それぞれのIPアドレス毎にProfileを作ります。ここでは「Voyage MPD」と「Voyage MPD 2」の2つのProfileを作りました。
GMPCでは2つのProfileが作れます。
そしてそれぞれのProfileでConnectを押し、Voyage MPD導入パソコンに接続します。エラーメッセージが出なければConnectは成功です。
切替は「Music」→「Profiles」で行います。
初回の起動ではそれぞれについて「Server」→「Update MPD Database」からデータベースを作りましょう。
以上の設定で同一LAN上で2台のVoyage MPD導入パソコンが使えます。もちろんそれぞれでNAS上にある別々の曲を同時に鳴らすことが可能です。GMPCでは2つのProfileしかつくれませんが、スマホやタブレットのクライアントソフトを使えば2台以上を同時に使うことも可能です。それぞれの部屋にVoyage MPD導入パソコンを置いて、それぞれの部屋で違う曲を聴くという使い方も出来ます。
以上、Voyage MPDについていろいろ書いてきましたが、ひとまずここで終了とさせていただきます。皆様無事に導入及び活用が出来ますことを願っております。
また何か新しい事がありましたら記事を書いてみたいと思います。
私はこの後超小型パソコン「Raspberry Pi」を使ったMPD、「RaspyFi」に挑戦してみようと思っています。皆様、長々と書いた記事におつきあいいただきありがとうございました。ではまた。
Voyage MPDで同時に2台のDACを鳴らしてみる。
Voyage MPDでは同時に複数のalsaデバイスを鳴らすことが出来ます。つまり例えば1台のVoyage MPD導入パソコンに2台のUSB-DACを繋いで同時に鳴らすことが可能です。
今回はVoyage MPDを導入したHPのシンクライアントPC・t5720に「Stereo」誌2013年1月号の付録だったDAC「LXU-OT2」とDigifi2013年10号の付録だったOlasonic製DACの2台を繋いで同時に鳴らしてみました。
まず2台のDACをt5720のUSBポートに挿してt5720を立ち上げます。そしてSSHソフトを使用してWindowsパソコン(もしくはMac)からリモートで入り込みます。
何をおいてもまずはコマンド待ちからremountrwと入力します。(これをやらないと変更が反映されない)。
そしてコマンド待ちからaplay –lと入力します。
すると以下のように現在繋がっているデバイスが表示されます。
この例ですとcard番号0,device番号0にOlasonicのDACが、card番号1,device番号0にLXU-OT2が認識され割り当てられていることがわかります。
一つのcardで複数のdeviceを持つDACなどもありますが、今回は説明を割愛します。(私がそのようなDACなどを持っていないため。)
これをメモしたらmpd.confを編集します。
コマンド待ちから nano/etc/mpd.confと入力します。(エディタにnanoを使用する場合)
audio_outputの記述の部分を探し、上記の例のようにaudio_output { から }までをコピー&ペーストし、2つのaudio_outputの記述を作ります。そして1つ目のaudio_outputのdeviceの記述を”hw:0,0”(カード番号0,デバイス番号0の意味)、2つ目のaudio-outputのdeviceの記述を”hw:
1,0”(カード番号1,デバイス番号0の意味)に変更します。
また、それぞれのnameの記述を自分のわかりやすいように変更します。
上の例では1つ目のaudio-outputにOlasonicのDACの記述をし、名前を「My ALSA Device Digifi」、deviceの指定をカード番号0,デバイス番号0としました。
同様に2つ目のaudio-outputにLXU-OT2の記述をし、名前を「My ALSA Device Stereo」、deviceの指定をカード番号1,デバイス番号0としました。
以上の変更をしたらセーブして終了し、コマンド待ちからrebootと入力して再起動します。
再起動してクライアントソフト側のALSA Deviceの設定を見ると先ほど設定した2台のDACの設定が反映されています。(この例ではクライアントソフトはCMPC(Genome Music Player Client)を使用しています)。
両方にチェックを入れれば2台のDACから同時に音を出すことが出来ます。これを使って例えばDACの同時聴き比べなんていうのも面白いのではないでしょうか。
また別の記事で同一LAN内で2台のVoyage MPD導入パソコンを稼動させる方法を書いてみたいと思います。
Voyage MPD 0.9.2がリリースされました。
2013年12月20日にVoyage MPD 0.9.2がリリースされました。
早速私も導入して今から聴き込もうかと思っておりますが、導入手順自体は当ブログで以前書いた0.9.1のインストール(ほぼ全手順)とほぼ同じです。HPのシンクライアントPC・t5720へのインストール手順ですが、他のパソコンへのインストール時にも参考にしていただけると思います。(ブログ右側にあるカテゴリーからPCオーディオをクリックして頂けると見つけやすいです。)
1カ所だけ変わったのが(ほぼ全手順・その3)の⑤でGeneric PCを選ぶところが項目が増えてるので8番から9番に変更になってます。間違えずに9番Generic PCを選んで下さい。
導入を考えておられる方のお役に立てば幸いです。
Voyage MPDをビットパーフェクトに近い状態に設定する。
PCオーディオにおいてはクライアントソフト等ソフトウェアでのデジタルボリュームで音量の制御をすると分解能の低下を招きます。(いわゆるビット落ちというやつです。)理由はデジタルボリュームというのはD/Aコンバーターの分解能を落とすことによって音量調節を行うからです。
CD音源など16ビットの音楽データを16ビットのD/Aコンバータで処理したりする場合を例に取ると条件にもよりますが11ビット程度の分解能でしか処理できなくなってしまい、データの間引きをした状態になってしまいます。
これを防ぐにはデジタル処理側でのデジタルボリュームをとにかく最大にした状態でアナログ変換以降にアナログ側の一番出口に近いボリューム(アンプ等)のボリュームで音量調節をするということになります。
Voyage MPDでなるべくビット落ちを少なくするためにMPD側でボリュームを最大にしようと言う事で以下の設定を行いました。
コマンド待ちから nano /etc/mpd.confと入力。(エディタにnanoを使用している場合)
mixer_typeで”disabled”を選択する。”hardware”,”software”は先頭に#を付けてコメント行にする。
次にalsaデバイスのボリュームを最大に設定します。
コマンド待ちからalsamixerと入力する。
この画面が開くのでcard:に表示されているalsaデバイス(この写真の場合はUSB-DAC)を確認してキーボードの上下矢印キー↑↓でボリュームがmaxになるよう設定する。
複数のDAC等のalsaデバイスを接続している場合にはF6キーを押すと選択画面になるので選択し、それぞれについてボリュームmaxを設定する。設定が終了したらEscキーを押して終了する。
設定が終わったらVoyage MPDを再起動します。
再起動後にクライアントソフトでのボリューム設定が無効になっていれば設定は終了です。
重要【Voyage MPD】t5720へのインストールの前準備
去年からこのブログでVoyage MPDをHPのシンクライアントPC t5720へインストールする手順を紹介してきまして、結構たくさんの方に読んでいただきました。ありがとうございます。
記事を書いてから今までにインストールに関して幾つかのご報告を頂きましたので「前準備編」ということで纏めてみました。参考にしていただければ幸いです。
まず1つめ。Voyage MPDのダウンロード元ですがここで間違う方が多いようなので説明します。
上の画面はVoyage MPDの公式サイトhttp://linux.voyage.hk/voyage-mpdですが、良く右側の緑の大きな矢印を間違えて押してダウンロードする方がいらっしゃるんですが、これはVoyage LinuxのLive CDのダウンロードですので違います。
Voyage MPDは左側の文字のリンクが正解です。バージョン番号が同じなので間違えないように注意して下さい。
次に昨年末12月20日にVoyage MPD 0.9.2がリリースされましたが、基本的なインストール手順は以前の(ほぼ全手順)の記事で書いてきたことと変わりません。
1カ所だけ変わったのが(ほぼ全手順・その3)の⑤でGeneric PCを選ぶところが項目が増えてるので8番から9番に変更になってます。間違えずに9番Generic PCを選んで下さい。
そして今回、t5720というかシンクライアント特有の問題と言うべき事象がわかりましたので、記事に致します。
先日、私のVoyage MPDインストール済みのt5720で「プレイリストが作れない」という事象が発生しました。
私は普段プレイリストとかは作らないので発見が遅れたのですが、ある日「ネットラジオでも聴いてみよう」と思い、ネットラジオ用のプレイリストを作って保存したにも関わらず、電源を切ると消えてしまっているのです。
これはシンクライアント特有の「データはメモリ上に格納され、電源を切ったら消える」という機能のためと思われます。この機能はシンクライアント専用のWindows XP Embeddedを入れた時だけ機能するものだと思っていたのですが、どうもハードウェアにも依存しており、設定をSRAMかどこかで保持しているようです。(調べて見ましたがハードウェアに関する資料が見当たらないため確証は無いのですが、作成してセーブしたはずのファイルが電源を切ると消えるというのはこの機能が働いているとしか考えられないと思います。)
そこで、Voyage MPDのインストール前に一度Windows XP Embeddedをインストールしてこの機能を切ってからVoyage MPDをインストールしてみましたら、無事プレイリストがちゃんと保存されました。今回はこの手順を以下で説明します。
まずは設定が消えないようにSRAMのバックアップ電池を一応交換しておきます。(中古は多分電池がヘタっていると思いますので)t5720のフタを開けると電池ソケットがありますので交換して下さい。電池は100均にも売っているCR2032が1個です。
次にBIOSを工場設定値に戻してセーブします。
次にHPのホームページのt5720用のダウンロードページに行きます。(「t5720 Windows」とでも検索すれば見つかります。)
ここでバージョン5.1.323Aをダウンロードします。iso形式でダウンロード出来ますのでそれをCD-Rに焼いておいて下さい。ちなみに新しいバージョン5.1.710Aもダウンロードできますが、これはメモリとフラッシュメモリが1GB以上無いと動きませんので(かつサイズが大きく、CD-Rに入らないためUSBメモリに作成しなければいけない)改造してないノーマルのt5720の方は必ず5.1.323Aをダウンロードしてください。
次にt5720にCDドライブを繋いでCDからブートします。
2回質問してきますので両方yを答えます。するとフォーマットが始まり、その後インストールが始まります。
何度か再起動した後、「User」というアカウントで立ち上がります。
この後、管理者モードでログインし直すのですが、その手順はここには直接は書きません。なぜならまだこのt5720が現役で使われているところがあればイタズラされる恐れがあるからです。
その方法は「t5720 クイックリファレンスガイド」で検索するとPDFファイルが見つかりますのでその中に書いてあります。
またt5720へのWindows XP embeddedのインストールについてはこちらのサイトhttp://engineermemo.wordpress.com/2010/04/17/hp-t5720-%E3%81%AB%E6%A8%99%E6%BA%96%E3%81%AE-xp-embedded-%E3%81%AE%E3%82%A4%E3%83%A1%E3%83%BC%E3%82%B8%E3%82%92%E3%83%AA%E3%82%AB%E3%83%90%E3%83%AA%E3%83%BC/が詳しいので参考にして下さい。
管理者でログインしたらエンハンスドライトフィルタ設定をダブルクリックします。
「EWF無効」のボタンを押します。
「オーバレイを確定しますか?」と聞いてくるので「はい」を答えます。「再起動しますか?」と聞いてくるのではいと答え再起動します。
再起動したら再度管理者でログインしてエンハンスドライトフィルタ設定画面に入り、状態:の表示が「無効」になっていることを確認し、t5720をシャットダウンします。
あとは当ブログのt5720へのインストール(ほぼ全手順)の手順でVoyage MPDをのインストールを行って下さい。
以上です。
Windows XP EmbeddedはXPのサポートが2014年3月に終わったらこのダウンロードも終了する可能性がありますので早めのダウンロードをオススメします。
あけましておめでとうございます。
いつもの事で、もう5日になってからご挨拶してますが、あけましておめでとうございます。
今年もマイペースではありますが、当ブログをよろしくお願い致します。
年明けは去年の出来事でまだ書き切れて無い事から少しずつアップしていきたいなと思っております。
更新ペースは遅いですが、たまに覗いてやっていただけると嬉しいです。
しかし9連休もあったのにやっと落ち着いて自分のことが出来る時間が取れたのが今日になってからというのは相変わらずの貧乏暇無しでやんなっちゃうんですが。
そんな訳で2014年もよろしくお願いします。