ドスパラのYMケースの電源スイッチを修理する。
うちのメインのデスクトップPCはドスパラのガレリアです。
使われているタワーケースはYM型ケースと呼ばれるモノです。
もう5年半前のマシンでcore i7 860ですから最新のマシンには到底及びませんが、とりたてて自分の用途では今のところ不足は無いので快適に使っています。強化した部分もSSD化したのとHDD増やしたのとS-ATAポート増やしたのとメモリを上限まで積んだくらいです。
ところが最近、電源スイッチの調子が悪くなって酷いときには20~30回くらいカチカチ押さないと電源が入らなくなりました。使うときにすぐ使えないとストレス溜まります。
BIOSにPS/2キーボードでPOWER ONする設定がありましたので、とりあえず手持ちのPS/2キーボードに取り替えてそれで電源ONして使っていました。
でも一度ワイヤレスのキーボードに慣れてしまうとどうにも使いにくいのでスイッチを何とかしないとと思っていました。
これを機にカッコいいケースに買い換えるというのも考えたのですが、それをやると廃棄時にPCリサイクルが無効になってしまうのではないかと思い、やっぱりYMケースの電源スイッチを修理して使うことにしました。
ケースを開け、5インチドライブを取り外せばフロントパネルは簡単に外れます。
見るとスイッチはコネクタ付きの基板にタクトスイッチが付いてるだけです。簡単な構造のモノなので難なく直せそうです。試しにこのスイッチのユニットだけ買えるのかドスパラに聞いてみましたが、やはりバラ売りはやってないそうです。
ノギスで計ってみたら6mm角のタクトスイッチでした。が、ここで一つ注意点があります。
6mm角のタクトスイッチと言ってもメーカーによって微妙にスイッチの厚みやボタンの長さ・径などが違っています。
フロントパネルのタクトスイッチを押すためのボタンは押した状態でも裏から見るとこれだけしか突起が出て来ません。タクトスイッチのサイズによってはうまく連動して押せない状況も予想出来ます。
秋月電子で調べてみると6mm角のタクトスイッチは3つのメーカーのモノがありました。1個10円なのでこの際1つづつ買って、その中から最もオリジナルのスイッチに近いサイズのモノを使うことにしました。ちなみに送料や代引き手数料が掛かるので30円のモノを1個注文するのはバカみたいですから、他の電子工作のパーツを買うついでを待って一緒に買いました。
コネクタを外して基板を取り外します。
ハンダゴテを使ってタクトスイッチを取り外します。
スイッチを比べてみると、秋月電子の通販コード「P-3647」、Cosland Co,. Ltd.製のタクトスイッチがオリジナルとほぼ同じサイズでしたのでこれを使います。(同じモノで色違いもあるようです)。
ハンダ付けして基板を元に戻します。
フロントパネルを復旧してテストです。全く問題なく動作しました。これでスイッチに煩わされることはなさそうです。今回は修理費用10円(実際にはスイッチ3種類買ったので30円だけど)。まだまだこのマシンには元気で働いてもらうつもりです。スイッチがへたって困ってる方の参考になれば幸いです。
FN1242Aを使ってRaspberry Pi直結DACを作る【その5】
【ケースに実装する】
ケースが届いたので仮組みして配置を検討中です。
せっかくの初自作なので少し良いケースに入れようと思います。
見ての通り大きすぎるくらいのケースをチョイスしたのですが、実はあまりケース加工とかの工作は得意では無いので余裕持って作業できるように大きめのアルミサッシケースにしました。
本当は安いタカチのYMシリーズとかのそこそこのケースでも良かったのですが、いかんせんトランスの背が高くてYMシリーズのケースには収まりませんでした。
今回のケースはYMシリーズよりはちょっと高いタカチのSL型アルミサッシケースSL70-32-23です。(数字は順に高さ・幅・奥行き)
実際の配置なのですが、木の板の上に仮組みしてテストしていた時点でノイズ等の発生も無い事を確認していましたので、基本的にそのままの配置で行こうと思います。
少しずつケースを加工しながら部品を取り付けていきます。
底板・前面・背面パネル全ての加工が終わって部品取り付け・配線・確認も終え、火入れをしたところ。無事通電しました。
上手い人だと最短の配線で綺麗に仕上げる所なんでしょうが、そこまで器用では無いのでとにかく多少不格好でも良いから100V周りがヘボいテンプラハンダにならないようにだけは気をつけました。熱収縮チューブやカプトンテープで絶縁もしっかりと。
電源基板。デジタル5Vの三端子レギュレーターの放熱板は少しオーバーなくらいの大きさのものに変更しました。背負って取り付けてる格好になります。
ラズパイとMCK GEN-B基板です。ラズパイへの電源供給は電源基板→USB端子で行っています。クロック関係の配線はフラットケーブルを使い、信号線とGNDが隣り合わせになるように配線しました。またSDカードが簡単に取り出せるように配置しました。
DAC基板です。ちょうど良い感じに収まりました。
背面です。四角い穴はハンドニブラーで開けましたが切り口があまり綺麗ではありません。丁寧にヤスリかければ綺麗になるんでしょうけど、やってるうちに疲れてしまったので(^^;。
まだ空きスペースがかなりありますが、この先の展開として7セグのLEDを使ってサンプリング周波数の表示を前面に付けようと考えていてその基板用のスペースに使おうと思っています。
ということで無事完成しました!。お正月から少しずつ作業をしていって3ヶ月も掛かってしまいましたが、手前味噌ながら初めてにしてはまあ良く出来た方ではないかなと思っております。達成感はMAXです。今後残った選曲時や曲間のポップノイズの解決とサンプリング周波数表示の追加をやっていきたいと思います、いやあ自作ってホント、楽しいモノですねぇ。今は毎日帰ってきて聴くのが楽しみです。
これに味をしめてこの後、次の自作の計画があります。また完成したら記事にしてみようと思っています。
ここまでお付き合い頂きありがとうございました。
【参考文献】
・FN1242Aデータシート 2001年 新潟精密株式会社
・MCK GEB-Bマニュアル お気楽オーディオキット資料館
・月刊トランジスタ技術 2013年2月号 CQ出版社
・月刊インターフェース 2014年9月号 CQ出版社
・その他各デバイスのデータシートなど
【2015年4月 記】
FN1242Aを使ってRaspberry Pi直結DACを作る【その4】
FN1242AはフラットパッケージICなのでユニバーサル基板に実装するにはこのようなSSOP変換基板を使う必要があります。
だから細かいハンダ付けは辛いんだって(^^;。ルーペが必需品になりつつあります…。
いよいよDAC基板の製作です。
さんざん煽っていてアレですが、今回アナログ部の回路はFN1242Aのデータシートに載ってるリファレンスの回路そのままです。私自身が初心者と言う事もあるのですが、まずはメーカー推奨のリファレンスの音を聴いてみないとどんな素性の音を出すのかも判らないし、応用も何もあったものでは無いからです。
アナログ回路に至ってはネット上にも多くの作例がありますので、それらを参考にアレンジされるのも良いかと思います。
従って回路図もデータシートそのまんまを多少アレンジという形になっています。(クリックで拡大します)。
上記の回路図は最初自分で書いたときはかなりゴチャゴチャしていたのですが、添削をお願いした高速化事業部のりょうさんが実際に基板に部品をレイアウトしやすい様に書き直して下さいました。ところが「弘法も筆の誤り」。その際に手違いでオペアンプの+-が逆になってしまい、この通りに組んで音が出なくて四苦八苦。最終的にりょうさんに泣きついて組み立て終わった基板を送りつけて(^^;調べて貰って判明したという。百戦錬磨のりょうさんですらこういう事があるので本当に電子工作に於いては1にも2にも確認しか無いんだなと実感した出来事でした。(りょうさんにはご負担を掛けた上に謝罪をいただきましたが、こちらが無理にお願いしたことですし、添削後の回路図を再度点検しなかった私にも落ち度がありますので、今度お会いする機会があったらこの笑い話をネタに呑みに行きましょう(笑))。
(実を言うと回路図の間違いが判って基板を直すときに接続先間違って音は出たものの音像の定位が定まらない逆位相状態の音(さすがにこれにはいくらクソ耳の私でも音を聴いただけで気づくぞ)になって慌てて更に直したのは内緒だ(笑))。
それと自分でも気になっていたのとりょうさんのアドバイスもあり、ZEROL,ZERORの信号を使って出力ラインをリレーでミューティングすることにしました。理由は
①ラズパイの仕様でラズパイ起動時や曲の再生が終わったとき、クロック関係が停止してしまうため、その際にFN1242Aが万一ノイズを吐いた場合の回避。
②無信号時の出力先保護
やはり万一の時も機器を壊さない事が前提だと思いますのでリレーミューティングすることにしましたが、人によっては曲間でリレーがカチカチ言うのが気になる人もいると思いますので必須では無いです。
ミューティングはZEROL,ZERORの信号でトランジスタを作動できると考えていたのですが、やってみるとどうもそこまでのパワーは出ていないようなので、ZEROL、ZERORに10KΩを介して3.3Vを加えてプルアップするようにしました。
使用した部品は表の通りですが、抜けがあるかも知れませんのでその点ご了承下さい。購入先が空欄のモノは全て秋月電子で購入しました。
ダイオードは当初定番と言える1S133を使うつもりだったのですが、どこも取り扱いが無かったので今回は1SS178を使いました。高速スイッチング用途のモノであれば代替え品で大丈夫だと思います。
あと、今回地味に重宝したのがダイソーの銅線。
今までGNDのワイヤリング等はスズメッキ線を使っていたのですが、こちらの方が安心感があります。しかも安いしオススメです。
ユニバーサル基板は秋月電子で一般的によく使われる72mm×47mmの片面ガラスコンポジットのものを使いました(1枚60円)。
一般的な72mm×47mmの基板に組んで行きますが、こんなやり方では到底全て部品が1枚に載りません。が、実装レイアウトを実際やってみて自分の力量でどれだけの部品が載るか試してみたかったので、基板継ぎ足し覚悟でこんな組み方をしました。スペース稼ぐのなら普通抵抗なんて縦に実装するのですが、自分がわかりやすいように今回はキツキツに詰めることはしませんでした。慣れたら少しずつ出来るようになると思います。
アナログ回路部分は電源までオーディオ用の電解コンデンサー使ったりしてます。それ以外はマイカかフィルムコンデンサーを使いたかったのですが、pFとかの容量の小さいマイカやフィルムは年々手に入りにくくなっています(寂しいことです)。今回はマルツパーツにマイカコンデンサがありましたのでそれを使いました。
まあ、当たり前ですがスペースが足りなくなったので基板を継ぎ足してどんどん行きます。(リレーは写真と違ってもっと小型のオムロンのモノを使いました)。オペアンプは別のモノに差し替えて遊べるようにソケットにしてあります。
電源基板、ラズパイと繋いでテスト中。オペアンプの間違いを直しても最初音が出ずに悩みましたが、GNDの取り回しが悪かった事が原因でした。板の上に取り付けていっているのはテスト用の仮固定とケースのサイズ検討のためです。また裏側は配線に細くて効率が良く取り回しの楽なジュンフロン線を使っています。
月並みですが初めて音が出たときは感動しますね。思わず飛び上がりそうになりました。結構いい音出てます、感動です。
こちらが完成基板。ゆったりした配置ですがその分回路がわかりやすくなってると思います。
ただひとつ、今も解決していない問題がありまして、曲の再生開始、サンプリング周波数が変わるとき、曲の再生終了時にブツッと小さなポップノイズが出てしまいます。(同じサンプリング周波数の曲を連続再生しているときは曲間にノイズは入らない)。どうもクロックの立ち上がり、変更時、停止時にノイズが出るようで、これの原因がクロック停止にあるのか、マスタークロック生成基板にあるのか、volumioのソフト側の問題なのかまだ判明していません。それ以外は非常にクリアな、でもデジタルっぽくないなんとなくアナログな感じもする良い音で鳴っています。結構好みの音に仕上がったので満足しています。
次回はケースへの組み込みです。
FN1242Aを使ってRaspberry Pi直結DACを作る【その3】
【電源部の製作】
今回は自作なのでちょっと贅沢に用途によってそれぞれの系統をトランスを使ったシリーズ安定化電源で用意することにしました。
多分にオーバースペックなのですが。
必要な電源は
①アナログ+12V(オペアンプ用)
②アナログ-12V(オペアンプ用)
③アナログ+5V(アナログ回路用)
④デジタル+5V(Raspberry Pi用電源)
⑤デジタル+3.3V(FN1242Aデジタル部用電源及びMCK GEN-B基板用電源)
の計5系統。トランスは12V2回路トロイダル1個とEIトランス2個のトリプルトランスです。
回路図はこちらです。(クリックすると拡大します)
12V電源に付けているダイオードは電源OFF時の逆流防止なのですが、負荷側のコンデンサー容量が平滑用のコンデンサーより大きい場合は必要ですが、今回は無くても大丈夫だとは思います。また、三端子レギュレーターに付ける0.1uFのコンデンサーも発振防止のおまじないみたいなものなんだそうで、メーカー製の回路だと真っ先に省略されるらしくて、確かにオーディオ製品の中を開けてみてもあまり付けられてる事は無いのですが、今回はデータシートに倣って律儀に付けました。GNDはアナログ・デジタル別々としました。
使った部品は表の通りですが、一部手持ちの部品を使ったり、ついでに多めに頼んだ部品もありますので全てではありません。
また、ユニバーサル基板は手元にあったものを使いました。手頃な大きさが貧乏人御用達の紙フェノールしかなかったのでそれを使いましたが、もうちょっと良いのを使えば良かったなと後悔してます。表の購入先が空欄のモノは全て秋月電子での購入です。(秋月で探して無ければ他で…という良くある選び方です)
一通り組み上がったものがこちら。
細かく作る実装技術が無いのでかなり余裕持ってスカスカに作ってますけどそれがご愛敬と言う事で。
ここで3カ所ほど問題点がありました。
一つはトランス。ラズパイはそんなに消費電流多くないだろうと思って最初デジタルトランスには0.5Aを用意したのですが、実際には約0.4~0.5Aくらい消費することがわかって、そうなるとMCK GEN-B基板と合わせるとギリギリになります。
なので1Aのトランスを新たに用意しました。デジタル側にはこれを使います。
2つめはその1Aのトランスですが、最初6Vのタップを使っていたのですが、ラズパイの起動時に結構電力を消費するようで、レギュレーター通過後の出力電圧が5Vを少し下回るとラズパイが起動に失敗することがありました。
なので8Vのタップを使うことに。
3つめは8Vのタップにした為に損失が大きくなって5Vの三端子レギュレーターに付けたTO-220パッケージと同じくらいの大きさのヒートシンクだと放熱が間に合わずキンキンに熱くなってしまうので、大きなヒートシンクに交換しました。
以上の点が設計時に至らなかったところでした。
配線は何度も入念に確認しましたが、100Vを使う電源基板なので最初のスイッチオンは緊張します。とりあえずヒューズ+ブレーカーを噛ませて最悪部屋のブレーカーごとズドンというのを避ける処置をしてスイッチオン。テスト中は絶対に100Vの配線には触れないように。(写真はまだ大きなヒートシンクに付け替える前です)
無事規定の電圧が出ました。一安心。とりあえずケースの検討も兼ねて板の上に仮配置ですが、電源基板は無事完成です。
次はいよいよFN1242Aを使ったDAC基板を作ります。
FN1242Aを使ってRaspberry Pi直結DACを作る【その2】
【まずはI2Sの動作確認とマスタークロックの問題解決】
さて、DACを自作する前に自分のラズパイのI2S周りがちゃんと動作してるのかを確認するためにキットのDACを組み立ててそれで確認することにしました。
使うキットは「お気楽オーディオキット資料館」(http://easyaudiokit.hobby-web.net/)で頒布されているDACキットです。
自作オーディオ界隈では「藤原さんのとこ」でお馴染みのサイトですね。
こちらでテキサス・インストゥルメンツ社のDACチップPCM5102を使った「DAC51X2 MINI for Raspberry Pi TYPE B 基板」のキットを購入してまずは組み立て&音出しです。
基板と主要部品がセットになったキットです。周辺部品は好みのモノを自分で揃えるようになっています。組み立て説明書はサイトからダウンロードします。
隣の綿棒と比較してもらうとPCM5102の大きさがわかりますが、年々加齢と共に老眼が出てきて(笑)このようなフラットパッケージICの足の細かいハンダ付けが難しくなってきました。隣の足とショートしてないか念入りにテスターで調べます。
特に難しい所も無いのでさくっと組み上がり。電解コンデンサーはちょっと贅沢にニチコンのMUZE KZをおごりましたが、フィルムコンデンサは秋月で普通に売ってたモノを使いましたのでオーディオ的な評判は判らず。この辺のチグハグさが私の性格というか…。
ラズパイに取り付けるとこうなります。電源はラズパイから供給されます。
SDカードにvolumioをインストールし、出力をI2Sに設定します。(解説しているサイトはたくさんあるので省略します。)
アンプを繋ぐ前にオシロスコープで出力をチェック。音楽データ(FLAC)を再生してみるときちんと音声出力らしきものが出ていることを確認。しかし、そろそろアナログ20MHzの古いオシロではキツい場面も出てきました。古いも何も「ケンウッド」になる前の「トリオ」の時代のオシロなんで(笑)
アンプを繋いでみるとかなりいい音で鳴っています。とりあえずはラズパイのI2S周りが正常な事が確認できました。しばし音楽鑑賞。最終目的を忘れてこれだけでもう十分じゃんとか思ってしまいます。
次に、FN1242Aでは必須となるマスタークロック(MCK)の問題を解決しなくてはなりません。
一般的にI2Sはマスタークロック(MCK)を持つマスターモードで使用されることが殆どで、DACの多くは動作時にこのマスタークロック(MCK)を必要とします。FN1242Aも例外ではありません。
そこで使用される信号線は4本。
①マスタークロック(MCK)
②ビットクロック(BCK)
③ワードクロック(LRCK)
④データ(DATA)
これに対してラズパイのI2S出力はマスタークロック(MCK)を持たないスレーブモードと呼ばれるモノで
①ビットクロック(BCK)
②ワードクロック(LRCK)
③データ(DATA)
の3つです。
この方式に対応したDACは少ないのですが、上で製作したPCM5102はチップ内部でこのマスタークロック(MCK)を生成する機能を持っていますので、細工すること無くラズパイと直結することが出来ます。
マスタークロック(MCK)はサンプリング周波数を整数倍することで生成することが出来ます。ビットクロック(BCK)はサンプリング周波数を整数倍(64倍)したものです。つまりビットクロック(BCK)があればそれを逓倍することによってマスタークロック(MCK)の生成が可能です。
FN1242AでラズパイのI2S直結DACを作ろうとするとこのマスタークロック(MCK)生成基板が必要となります。
「水晶発振子とICS570B(クロック逓倍器)を使ってそこから作るか」と思っていたらすでに前述の「お気楽オーディオキット資料館」さんでもう便利の良い基板が作られていたのでそれを利用することにしました。
「お気楽オーディオキット資料館」さんで頒布されている「MCK GEN-B」基板です。写真は組み立て後です。サンプリング周波数に応じて逓倍率をジャンパーピンで設定しますが、オプションのPICマイコンを積めばサンプリング周波数ごとに逓倍率を自動で切り替えることが出来る優れものです。
FN1242Aの場合、データシートを見てみるととりあえずサンプリング周波数が32KHzから192KHzまでとにかく192fs(サンプリング周波数の192倍という意味)をマスタークロック(MCK)に入力しておけば大丈夫なのですが、将来作るかどうかはさておいて他のDACを繋ぐ場合でもこれがあると便利なのでマイコン付きで組み立てました。
動作確認ですが、ここで問題発生。
私の古いオシロではスイープ時間の最小が5μsなのでビットクロック(BCK)はなんとか表示できても…。
マスタークロック(MCK)はとりあえずなんか正確そうな波形が出ているかなぁレベルでしか表示が出来ません。これで良しとしてもよいのですが今ひとつ納得が…。
ちょっと予算オーバーなのですが、良い機会なのでデジタルオシロスコープを買いました。OWON(中国メーカー)の30MHzの2現象。秋月で3万円ちょっとだったのと、ホビーレベルでは全く過不足無しという評判だったので。テクトロとかだと廉価品でも6万近いので躊躇してましたが、なんとかこの値段なら手が届きます。本当はオーディオに使うのなら100MHz位のを買った方が良いのですが、今まで20MHzで困ったこと無かった位の使い方なのでこれで良いかと。
サンプリング周波数96.0KHz(ハイレゾ音源)に対して…
ビットクロック(BCK)がその64倍の6.144MHz。
マスタークロック(MCK)は96KHz時にビットクロック(BCK)×2の設定にしてあるので12.288MHz。
ワードクロックとデータクロックも出力されていることを確認。
CD音源(サンプリング周波数44.1KHz)の時は写真撮り忘れてしまいました(^^;。
とりあえず正常に動いているようなのでマスタークロック(MCK)の問題はこれで解決です。
キット代金以外の周辺部品は以下の通りです。(秋月電子で購入)
この他にピンヘッダは手持ちのモノを使いました。
次回は電源部の製作です。
FN1242Aを使ってRaspberry Pi直結DACを作る【その1】
まず最初にお断りしておきますが、FN1242Aはもう現在では入手困難なので「遅せーよ」とか言われそうですけど(^^;
事の始まりは7年も前のこと、そして更に1年半も前の事です。
2008年、当時の私はいつかDAC(デジタルーアナログコンバータ)を自作してみたいと考えていました。
ちょうどその頃、秋月電子で売られていたあるDACチップが話題になっていました。
新潟精密のDACチップ「FN1242A」がそれです。
2001年頃に開発されたDACチップとしては珍しい国産の石で、DVDオーディオやSACD(DSD)対応の1ビット方式のDACです。24ビット8倍オーバーサンプリング、フルーエンシ型データ補間フィルタ搭載という特徴のあるDACでサンプリング周波数192KHzまで対応しており当時はメーカー製DACの中級~上級機の一部に採用されたりしていました。
しかし新潟精密はその後倒産し(現在の新潟精密は再生後の実質別会社)、その際にFN1242Aの在庫が大量に秋月電子に流れ、1個800円というDACチップとしては破格の値段で売られていた為、自作ファンの間で話題になっていたのです。
その頃に私は将来DACの自作に挑戦してみようと思って2個ほど手に入れました。その後、自作マニアの間でこのFN1242Aを「8個パラで使って~」等が流行だし、一部で買い占めも行われて2014年1月、秋月電子の在庫も尽きて現在では入手不可となっています。
私はDACを何個もパラって使うようなモノまでは作る気も無いしそこまでの技術も無いので1個普通に使うようなDACを作ってみたいと思っていたわけです。
しかしその後DACを作ることもなく、古いカセットデッキの修理などをしてオーディオを楽しんでいた私ですが、時代的なモノもあり2013年後半から徐々にPCオーディオ、デジタルオーディオに軸足を移すようになっていきました。そして2013年10月、当時「オーディオ再生にも使える」と評判になっていた超小型ボードパソコン「Raspberry Pi」(ラズベリーパイ:通称ラズパイ)を入手しました。(私が買っていたのは当時の主力であるMODEL B)。単三乾電池を横に並べてみましたが、こんなにちっちゃいです。
「Raspberry Pi」は途上国のパソコン教育などにも使えるようにと安価に開発された最小限の、でも十分教育用としては実用となる機能を備えたボード型のパソコンで、これがいろんなホビーユースにも使え、しかも実売5,000円程度と安価なことからPC、自作界隈でかなりなブームになっていました。
オーディオ的にはLinuxディストリビュートのひとつであるRaspy Fi(当時。現在のVolumio)を使用してハイレゾ再生環境を構築する事がブームになっていました。とはいえ、この非力なラズパイでどこまで実用になるのか半信半疑だったので、しばらく放置プレイとなっておりました。
その後、Raspy Fiは進化して「volumio」というディストリビューションとなり、格段に使いやすくなったと言う事で遅ればせながらまずは手持ちのUSB-DACを繋いで音出ししてみました。その時もうすでにラズパイも進化して次世代のTYPE B+となっており(更にこの記事を書いている現時点ではRaspberry Pi2」が発売されています)、完全に時代遅れではあったのですが…。
ピンク色のはラズパイが入ってきたケースでこのまま簡易ケースとして使えます。スマホの充電器を電源にLANとHDMIを繋げて、DACは手持ちの「FX-AUDIO DAC-X5J」(早い話が中華DAC)を使ってみました。すると、心配していた音切れも無く非常にいい音で鳴ってくれました。ここのところはずっとVoyage MPDで音楽を聴いてましたがそれと遜色無い音。
さらに調べていくうちにラズパイにはオーディオ専用のシリアル通信インターフェースであるI2S信号の出力機能があることを知りました。I2Sで繋げられるDACやDDCがあればラズパイと直結でほとんどロス無くPCMデータを送ることが出来ます。
ここで、私は遙か昔に買っていたFN1242Aを思い出しました。DAC自作のまたとない機会です。「そうだ、FN1242Aを使ってラズパイ直結DACを作ってみよう。そしてそれをケースに組み込んでネットワークプレーヤーを作ろう。」そう思ったのは昨年(2014年)の暮れでした。もう時代に置いてきぼりも甚だしいほど遅いんですが(笑)。
ここで白状致しますと、私はジャンクの修理やキットの組み立て・改造などはしますが、自分で一から回路図を引いて「設計」から自作をしたことはありません。なので今回が完全自作デビューとなります。(工業高校レベルですがそれなりの電気知識はあります。)
とても熟練者ほど凝った自作は出来ませんがなんとか頑張って作ってみよう、と思い立ちました。
しかしながら、もし回路図が致命的に間違っていた場合など危険な結果になる事も予想されます。そこで、ネット上ではもう10年近くのお付き合いになります「高速化事業部」(
http://www.ne.jp/asahi/kousoku-web/hp/)の管理人、りょうさんに相談してみたところ、「あくまで私の自作を尊重して、回路図を書き換えるのでは無く致命的な間違いが無いかどうかだけをチェックする添削という立場」で快く協力していただけることになりました。これで鬼に金棒です。
ということで次回から自作レポートをしてみたいと思います。果たしてスマートに完成までこぎ着けられるんでしょうか。とにかく頑張ります!。
第4回 湯田温泉スリッパ卓球大会に山口放送・高橋裕アナの応援に行って来た
2015年4月4日(土)、山口市の維新百年記念公園スポーツアリーナで「第4回 湯田温泉スリッパ卓球大会」が開かれましたので今年も行って来ました。
ラケットの代わりにスリッパで打ち合うというアレです。
毎年観戦に行っているのですが、目的はKRY山口放送の高橋 裕(ゆたか)アナウンサーの個人的かつ勝手に応援、であります。自身がMCを勤める夕方ワイド「熱血テレビ」の企画で毎年参戦しては今までにシングルスで1勝したかな?程度の成績しか残せてないんですが、さて今年はどうなるでしょうか。
去年は半分勝負を諦めて、「種田山頭火」のコスプレでベストドレッサー賞をゲットするというイロモノに走った高橋アナでしたが、もうさすがに4回目の参戦となると競技の方でいいかげん結果を残したい。それでなんと今年はあの卓球の「石川佳純選手のお父上」とタッグを組んでダブルスで「ガチで勝ちに行く」という非常に大人げない(笑)手段に出ました。
石川佳純選手のお父さんと試合前コメントの収録中。去年のコスプレはどこへやら、石川選手絡みなら当然の「Nittaku」のユニフォームに身を包んで今年は本気モードです。もちろんダテでは無く石川選手のお宅に何度もお邪魔して練習を積んできたそうなんですが…。
石川選手のお父さんって結構ノリが「スチャラカおじさん」(失礼)で、ここぞと言うところで色気を出してスマッシュして自爆する、といったキャラだったりする訳ですが、そんな凸凹ペアでありながら意外や意外に…。
そして、今年はなんととんでもないことが起きてしまいます。…とまだ顛末が放送前なのでレポートはここまでとします。
詳しくはぜひぜひ今日(4月6日)放送の「熱血テレビ」をご覧下さい。(別に私は山口放送の回し者じゃ無いよ)
「チーム熱血」を謳い、この後どんな展開が待っているかまだ知る由も無い笑顔の高橋アナ。このあととんでもないことが…。詳しくはテレビで!。
【KRY山口放送】庄野数馬アナウンサーお疲れ様でした。
3月27日の「熱血テレビ」及び28日のKRYラジオ「Happy Paradise」にて退社発表がありました。
時期的にそういう季節ですが、テレビやラジオで慣れ親しんだ方が居なくなるのは寂しいものです。
特に元気な若手の方が居なくなるのは寂しいですね。まだ自分の可能性が幾らでも試せるチャンスがある方だと解ってはいてもね。
2010年、5年前に入社された年の24時間テレビで初めてお会いしたときにとても真っ直ぐでさわやかな印象を持ちました。男が見ても嫌みの無い男前だしね。
写真撮らせてもらってブログに使って良いか許可を求めた時に戸惑いながらOKしてもらえたのを昨日の事のように思い出します。
山口在住中にご結婚され1児の父。何度か周南近辺のお祭りなどにプライベートでご家族でいらしてるのをお見かけした事があります。
そんな時、向こうはプライベートなので私は気づいてもこちらから声を掛けることはしません。が、単なる顔見知り程度にはなってましたので、庄野さんの方から気づくといつもさわやかな笑顔でフランクに挨拶をしてくれました。私なんかにでも。
すごく親しみやすい方でした。
当然局名は明かされませんでしたが、「大阪のテレビ局」に行かれるとのこと。多分あそこだろうなとの予想はありますが控えておきます。
(4月1日付でテレビ東京系の「テレビ大阪」に移籍されました。テレビ大阪のHPに掲載されたので解禁だなと言うことで)
大阪の放送業界には友人が居ますのでまた人づてに近況などは耳にする機会があるんじゃないかと思っております。
5年間、山口県を盛り上げてくれてありがとうございました。またどこかで画面を通してお会いしたいと思っております。
ご成功をお祈り致します!
庄野アナにとって山口県で最後の公開放送となった、今年2月28日の「ズームイン!!サタデー 全国うまいもの博(於:下関大丸)」にて小野口奈々アナウンサーとズームインポーズ。
真ん中に映ってる見苦しいモノは処理しております(笑)。