超爆速Windows98マシンをジャンクCore2Duo機で作る
パソコン工房でCore2Duo機のジャンクデスクトップを入手しました。980円でした。
レサンセGT。Core2Duoの時代なので当たり前ですが元はWindows VISTA機です。
喫煙環境で使われていたらしく、中も外も汚く、タバコ臭も凄いです。
ふと「これにWindows98をインストールしてみよう」と思い、やってみることにしました。
Windows98時代からは2世代後のCPU機になります。果たして無事にインストール出来るのか?。
中もタバコのヤニと埃がビッシリで正直あまり触りたくありません(笑)。
状態はジャンクで状態表記に「時々画面が消える」とありました。グラフィックボード交換は必須と思われます。
ハードウェア構成は以下の通り。
CPU Core2Duo E8400(3GHz)
マザーボード ECS G31T-M REV1.0(socket LGA775,FSB1333/1066/800)
グラフィックボード MSI NX8800GTS(PCIE)
電源 ATX450W
ドライブ DVDスーパーマルチ(IDE)
メモリ DDR2-800 2GB(デュアルチャンネル)
HDD 日立2008年製320GB(SATA3.0Gb/s)
ハードウェアは以下の箇所に手を入れました。
まずとにかくケースが汚い。どうしようと思っていたらちょうど同じ型のケースがハードオフにジャンク(500円)であったので買ってきました。電源・ファンは無し。
このケース、実はINWINの廉価ケースで当時パソコン工房が自社パソコンに採用していた物です。同じレサンセGTですがPentium Dual Coreのシールだったので、汚い元のケースからCore2Duoのシールを移植しました。
ちょっと剥がすの失敗して美しくないですがまあいいや。
DVDスーパーマルチドライブはIDEから手持ちのSATAのドライブへ変更しました。
この時期のマシンらしくすでにFDDは付いていませんが、Windows98で使う場合はソフトのインストール時にFDDがほぼ必須です。そのため手持ちのFDDドライブを追加しました。
メモリはWindows98の限界である768MBまで積みたかったのでDDR2 800 512MBを2枚用意しました(ハードオフジャンクで2枚800円)。なぜ512MBが2枚かというと、Windows98はインストール時に512MB以上のメモリを積んでいるとインストーラーがコケてしまうからです。なので512MB 1枚を積んでインストールした後にもう1枚512MBを積んでsystem.iniを書き換えて768MBまで認識させます。
グラフィックボードは前述のとおり時々画面が消えるということで交換します。スロットはPCI-E×16が付いていますのでPCI-E×16のグラフィックボードを探します。ここで注意しなければならないのはWindows98に対応するビデオカードでなければいけません。NVIDIAならGeForce 6シリーズまで。ATIならRADEON X 3桁番台までが対応しています。ドライバはそれぞれのメーカーのHPで今も提供されていますが、PCI-Eの仕様によってはドライバのINFファイルの書き換えなどが必要な場合があります。今回私はGeForce6600(PCI-E)のカードを入手しました(2枚上の写真のHDDの上に映っているのがそれ)。ヤフオクで800円でした。ドライバは問題なくインストールできました。(このあたりはネット上にも断片的に情報がありますので参考にしてください。ただ、なかなか見つけるのが大変です)
CPUファンはCOOLER MASTERのそれなりのが付いていましたが喫煙環境らしく汚いですので交換します。
CPUファンは今回もSCYTHEの白虎を使いました。
清掃の後、CPUグリスを塗りなおしファンを装着。
電源も古いマシンな上にヤニをたっぷり吸いこんでいると思われるので気持ちよく新品に交換します(玄人志向のスタンダード400W電源)。
ケースにはファンが付いていなかったため、92mmのファンを装着。
他は内部清掃とBIOSのバックアップ電池交換及びCMOSのクリアと再設定を行いました。
BIOS設定では2カ所注意があります。
今回はHDDとDVDマルチドライブでSATAを使うので「Onboard SATA Controller」を「Compatible」に。
そしてSATAへのコネクタの接続でSATA1にHDDを、SATA3にDVDマルチドライブを接続しないとBIOSがドライブを認識しませんでした。多分SATAとIDEをコンパチブルで動かす場合のマスター/スレーブ競合によるものだと思います。もし上手く認識しない場合はいろいろやってみて下さい。。
今回はPCI-Eのグラフィックカードを使うので「Init Display First」を「PCI Express」に。
それ以外はそれぞれの環境に合わせて設定して下さい。
Core2Duo機にWindows98を入れる場合はいろいろな制約があります。あくまでも今回の場合について説明します。
Core2Duoの世代からマザーボードのチップセットにもドライバが必要になりましたが、実はこれが最大のネックで、基本的にWindows98をサポートする前提になっていません。
Intelのチップセットの場合、あくまで非公式で Northbridge i915 + Southbridge ICH6まではINFファイルが用意されています。Northbridge i945 / X38/P35/G35/G33/G31/Q35/Q33 + South bridge ICH7はINFファイル書き換えで 動作しますが、Northbridge内蔵ビデオはドライバがないのでVGAまでの出力になります。
今回のマシンのマザーボード、ECS G31T-M REV1.0はチップセットがVGA(GMA3100)統合型チップセット Northbridge G31にSouth bridgeがICH7ということなのでINFファイル書き換えでチップセットドライバが使えますが、GMA3100はドライバが無いのでビデオの解像度はVGAまでとなります。
このINFファイル書き換えですが、もちろん自分でも出来ますが、海外サイトで以前配布されていました。が、一応INFファイルは著作物なので現在は配布されていないようですが、ネット上を探せば今でも見つかります。ちなみにIntelのG31ドライバを書き換え無しで入れようとしてもインストールは途中で止まってしまいます。
チップセットドライバの探し方のヒントを。”G31 Windows98SE”でググって、1番最初に出てきたサイトの記事の中にある「閉鎖された」と書いてある海外サイトをインターネットアーカイブで過去に遡って探すと見つかります(2018年5月現在)
いろいろなケースがありますので、あくまで今回私がやったケースに限れば「マザーボード ECS G31T-M REV1.0ではINFファイルを書き換えたIntelのG31チップセットドライバが使え、なおかつビデオがVGA解像度までではゲーム等に支障が出るのでGeForce 6600(PCI-E)のビデオカードを増設した」ということでこれについては成功したという事例です。
次にソフトウェアのインストールです。
まず普通にWindows98SEをインストールします。メモリは前述の通り512MBを1枚だけ装着して下さい。
こういう警告が出ますがそのまま続行して大丈夫です。
インストール手順は以前のこちらの記事を参考にして下さい。
次にINFファイルを書き換えたチップセットドライバ→LANドライバ→グラフィックカードドライバを入れればOKです。
グラフックカードは外しておいて最後に取り付けてドライバを入れた方が確実かも知れません。
今回使用したドライバ
チップセットドライバ intelinf.zip
グラフィックドライバ(GeForce6600用・win98用)66.94_win9x_english.exe
ネットワークドライバ RTL8111.zip
サウンドドライバに関してはwindows98用が存在しないため、後日サウンドカード増設で対処します。
無事インストールが終了すればWindows98が立ち上がります。
この後、メモリを768MBまで認識させるためにsystem.iniの書き換えを行います。
スタートメニューから「ファイル名を指定して実行」を選び、system.iniと入力してEnterを押せばメモ帳が起動して書き換えが出来るようになります。
以下を書き換えます。
1.物理メモリを768MBまで認識させる
[386Enh]
MaxPhysPage=30000
2.ファイルキャッシュを32MBまでに制限する
[vcache]
MinFileCache=0
MaxFileCache=32768
書き換えが終わったら上書き保存して再起動し、正常に立ち上がるか確認する。
正常に立ち上がったらもう1枚の512MBのメモリを装着し、正常に立ち上がるか確認する。
以上でインストールは終了です。お疲れ様でした。
と、言う事で無事Core2DuoのWindows98マシンが完成しました。完成時の仕様は以下の通りです。
CPU Core2Duo E8400(3GHz)
マザーボード ECS G31T-M REV1.0(socket LGA775,FSB1333/1066/800)
グラフィックボード GeForce6600(PCI-E)
電源 ATX400W
ドライブ DVDスーパーマルチ(SATA)
メモリ DDR2-800 512MB×2(786MBまで認識)(デュアルチャンネル)
HDD 日立2008年製320GB(SATA3.0Gb/s)
今回、ビデオカードはGeForce 6600ですのでFULL HDの画面解像度(1,920×1,080)が使えます。
まあ無駄っちゃあ無駄なんですが、広い画面は良いですね。
あとはサウンドカードが無いため音が出ませんが後日増設の予定です。
ちなみに立ち上がり時間はドライバ類を読み込む時間があるため多少掛かりますが、立ち上がってしまえば動作も爆速です。とりあえず満足です。
さて、ここまでくると欲が出てしまいます。
「このマシンの極限までもっと速くしたい!」
てな訳で、元来はサウンドカードの増設だけで終わるつもりでしたが‥
1.せっかくマザーボードがFSB1333に対応しているんだから、socket LGA775版のCore2Duo中で最速のE8600(3.33GHz)を積んでしまえ!
2.HDDも古い中古はいつ壊れてもおかしくないからいっそSSDにしてしまおう!
ということで早速開始です。
用意したのはamazonで適当に選んだ激安サウンドカード(Windows98対応・ドライバCD付き・620円)。LITEONの120GB SSD(6,980円),中古のCore2Duo E8600(3.33GHz,1,000円)。更なる最速を目指せ!。
サウンドカードは中華製ですけど使ってるチップはCMI8738で4ch対応もしており、音もゲーム用途だと充分満足できる物でした。
HDDを取り外し、マウンタを使ってSSDを取り付け。
E8400(3.0GHz)からE8600(3.33GHz)へ、数値的には微々たる違いなのですがせっかくやるならそこはこだわりたい!。
CPU換装。
組み立て完了です!
BIOSにも3.33GHzで認識されました。
SSDに換装したので再インストールを行います。
SSDは120GBをCドライブ1パーティションにしています。(Windows98は1パーティション137GBまで割り当て可能です)
この無駄に広いデスクトップ!最高です。
Windows98にはCPUはPentium3と認識されています。windows98の頃には存在しなかったCPUですからまあ当たり前ですね。メモリも767MBと認識されています。
Win98時代のゲームソフトをインストール。爆速です。ちなみにうちのモニターはワンタッチで4:3モードになりますので古いゲームでもアスペクト比を気にせずプレイできます。
以上で爆速のCore2Duo Windows98マシン完成です!
最終的な仕様は
CPU Core2Duo E8600(3.33GHz)
マザーボード ECS G31T-M REV1.0(socket LGA775,FSB1333/1066/800)
グラフィックボード GeForce6600(PCI-E)
電源 ATX400W
ドライブ DVDスーパーマルチ(SATA)
メモリ DDR2-800 512MB×2(786MBまで認識)(デュアルチャンネル)
HDD LITEON SSD 120GB(SATA6.0Gb/s)
サウンドカード ノーブランド(CMI8738)
もうこの世代より新しいマシンやパーツでは現実Windows98をインストールすることは事実上出来ないので、欲しい方は今のうちに作ってみてはいかがでしょうか?それなりに大変ではありますが。
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ご質問への回答です。
お一人は非公開の拍手コメントで(レスが付けられないのです)、もうお一人は鍵付きコメントで私以外には見えない為、どうやってお返事しようかと困ってしまいまして、この記事へのコメントでお返事致します。
まず98se様。
私が使ったのはサイト名がhttp://windows98.ic.cz/です。ファイル名はその通りです。ファイルサイズはzipの状態でプロパティ表示で2.99MBです。これをそのままインストールしました。
次にwin98様。
私はG33ではなくG31ですが、大体同じではないかと考えると、完成後のマシンではその他のデバイスとしてPCI cardに1つ、PCI System management Busに1個、PCI Universal Serial Busに1個の計3個に!が付いて居ます。
私はハナからオンボードビデオとオンボードサウンドは使えないとの情報を得ておりましたのでカード増設で対応しましたから調べておりませんが、!の付いてるデバイスについては調べ方があります。
(Windows98ではデバイスマネージャーから不明なデバイスのベンダーIDとデバイスIDを調べることは出来ないので)レジストリエディタでベンダーIDとデバイスIDを調べ(参考サイトhttp://www.emaken.com/3/wdm/)、それらから何のデバイスかを確認することが出来ます(参考サイトhttp://d.hatena.ne.jp/alfad/20111111/1321017736)
この方法で何が不明なデバイスになっているか確認してみて下さい。ただ、デバイスが判ったとしても世代的にWindows98用のドライバは恐らく用意されていないと思います。
No title
http://windows98.ic.cz/ って繋がりますか?
うちの環境では Stránka nenalezena てHPが表示されます。
Microsoft Windows98SE unofficial support site を検索し Unofficial Windows 98 support site と言うHPからintel inf とIntel inf94 をDLしインストールしました。
Intel infはそのままインストール
PCI Card が2つ
PCI System management Bus 1つ ! でした。
次にセーフモードでIntel inf94をwindows-inf にコピーしPCI System management Busを削除し再起動、ドライバを指定したところ当たりました。
PCI Card は以前!のままです。
Re: No title
使えるチップセットドライバを調べていたときに、「INFファイルを書き換えて対応させたドライバが http://windows98.ic.cz/ にあったけど閉鎖されてる」という情報を見つけたので、インターネットアーカイブ(https://archive.org/)で過去のファイルを探ったらリンクがまだ生きており、入手出来たのでそのドライバを使っただけなのです。
多分win98様が使ったドライバも同じかもしくは同じような書き換えをしてあったものだと思います。(書き換えてないドライバだとインストール開始時点で止まってしまう。それが無いということはそうだと思います)
Intel inf94については私は見つけてなかったので情報ありがとうございます。今度やってみます。
いや、ぶっちゃけ自分の用途では単に過去のゲームが動けばそれで良かったのでどのみちビデオとサウンドボードは増設で対処するつもりでしたので、チップセットのビデオやオーディオが使えないと…ってあまりこだわってなかったのであの記事の内容でヨシとしちゃったんですね(^^;。実際ゲームでは何も困っていませんのであれで完成とした訳です。
!が気になるのであれば調べて対処と言う事になるのですが、あの世代の物でwindows98に対応したドライバが果たしてあるのか?確率は低いようにも思いますが、マシンの用途によっては無視できない場合もあるかと思いますので、何とか対処方法が見つかると良いですね。
割り切った記事でいろいろとお手間をかけましてすみませんでした。